◆開催日時:2020年4月8日(火)
◆講師:船井総合研究所 細井 錦平
◆演題:「中小企業のための初めてのテレワーク導入方法」
テレワークとは
本日のテーマはテレワークですが、現在、新型コロナウイルスの影響もありまして、学校が休校になり、緊急事態宣言が発令されております。
ということで、もうすでにテレワークのスタートを手探りでされている、もしくはこれからしていかないといけないという企業様も多くいらっしゃると思います。
今日はみなさまに少しでも参考になる情報をお届けしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
では、最初にテレワークについて確認をしておきたいと思います。テレワークの定義といたしまして、ICT を活用して会社から離れた場所で働く柔軟なワークスタイルのことを指します。
在宅ワークや在宅勤務という言葉もありますが、こちらもテレワークという概念の中に含まれます。
また、モバイルワークはカフェ、移動中の新幹線や飛行機、そしてお客様先など、つまり、移動をしながら柔軟に働くようなワークスタイルのことを言います。
サテライトオフィスで勤務をするという形態もテレワークに含まれます。リモートワークという言葉もテレワークとはほぼ同じ意味です。
テレワーク導入における経営者の不安・悩み
私共もテレワークの導入における様々な相談を受けております。
お客様から聞くことが多いのはここで記載されている内容です。
「社員さんが在宅でサボるのではないだろうか?」、または、「会社にいないと確認できない書類」、「会社のパソコンを使わないとできない業務」があると思います。
あと、「家は働く場所ではありませんから、家で働くと業務効率が落ちるのではないだろうか。」、「在宅にいるとオフィスにいる人とコミュニケーションをとる機会が減りますので、それによって業務に悪影響が出てくるのではないだろうかとか」があげられます。
そのほかにも「就業規則をどうするのか」、「家にパソコンを持ち帰ることになりますので、情報漏洩のリスクが心配だ」という声、あと、一番多いのは「web 会議システムは何を使えばいいのですか」というご相談も多く伺います。
今日は、みなさんこういった課題を解決していくようにお話をしていければと思っております。
中小企業のテレワーク先進事例
最初に、解決策をお話する前に、事例を見ていただきたいと思います。
こちらは、Work Smile Labo 様という中小企業様の事例になります。
こちらの企業様は中小企業でもテレワークに関しては最先端の事例で、中小企業様の中ではトップクラスではないかと思います。
こちらの企業をこれから紹介し、テレワークのメリットやその進め方など具体的なイメージをしていただき、解決策をお伝えしていきたいと思います。
では、事例を紹介していきます。Work Smile Labo 様は岡山県岡山市の会社さまです。
歴史は長く、創業100 周年を超える企業様です。社員数は32 名、業種は機械の卸売りを行われている企業様です。
この会社はコロナをきっかけにテレワークを始めた会社ではなく、それよりも以前から始められている企業様です。
受賞実績では、2018 年に総務省「テレワーク先駆者百選」の総務大臣賞を受賞されております。
この総務大臣賞は毎年5 社受賞されておりますが、中小企業として初めて受賞された企業です。
今年の2020 年には日本テレワーク協会主催「第20 回テレワーク推進賞」会長賞(最優秀賞)を受賞されております。これらの実績からも中小企業トップクラスのテレワークの成功事例をお持ちです。
テレワークのきっかけ
Work Smile Labo 様がテレワークを始めたきっかけは2016 年に小さな子供のいる女性社員でした。
その女性社員のお子様が病気で保育園を休むことが多く、仕事を休むことも幾度かありました。
休む方も、休まれる方も双方に負担があり、当時は従業員数が18 名と現在よりも少ないことから、一人の離脱は大きかった。
休む側としても急な欠勤で会社や仲間に迷惑をかけるのが心苦しく、経済的にも収入が
減ります。
休まれる側も仕方がない理由ではあるものの、3 人の総務経理担当のうち1 人が抜けることから大きな影響です。
一人当たりの仕事量が増え、残業が発生することから、不満もでてきました。
社内では彼女に対する不満がたまり、彼女自身も気まずい空気を察し、居心地悪そうにしていました。
そして、このままでは辞めてしまうのではかという状況になっておりました。
当時、テレワークを中小企業で実施している会社はほとんどなく、大企業でも一部事例があるぐらいでした。
そのなか、当時の社長が手探りの中実施を試みました。
テレワーク導入効果
そのテレワークの導入効果として、お子様の急な休みにも対応できるようになりました。
テレワーク導入以前は、お子様の保育園への迎えに行ったあとは仕事がそこで終了でした。
テレワーク導入後は家でも仕事が可能になったので、お迎えのあと、お子様が落ち着いたあとに仕事を在宅で進めることができるようになりました。
また、朝からお子様が発熱し、終日家にいないといけない場合でも家で在宅ワークを行えます。
二つ目の特徴として、テレワークを導入することで、通勤時間を削減することができます。
移動やお昼休みの時間を家事に充てることができるようになり、その結果、生活にゆとりがうまれました。
三つ目の特徴として予想を反して、業務の生産性が向上しました。
一般的に、在宅で仕事をこなす生産性は出社して行うよりも下がると考えられるのが一般的です。
かつてはこの企業様も同じように考え、在宅勤務の場合自給を100 円落としていました。しかし・・・
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