上記①についてですが、例えば過去の売上が110%程度で推移していれば少なくとも120%にすべきです。補助金の名称が「成長加速化」なので「加速」しないといけません。従来と同様レベルの売上利益UP率ではいけません。
上記②について、その額は大きければ大きいほど良いです。「最低投資条件は1億円だから・・・」と言って、そのレベルで申請するとまず採択されないでしょう。また、投資内容が売上利益にあまり直結しないもの(例えば、本社ビルの建て替え)も採択されないです。工場や店舗や省力化に大きく寄与するシステム等々、売上利益にダイレクトに響く必要があります。 上記③の意味は、例えば、これまでは卸売業だったが、新たに製造業を付加するとか、小売業やEC直販に参入するというように、これまで取り組んでこなかった業態やビジネスモデルに挑戦するということです。従来の延長のビジネスそのままを踏襲するだけではインパクトに欠けます。 上記④の自社の強みを活かすでは、他社の真似とか他社でもすでに取り組んでいるものではなく、自社の強みを活かしてオリジナル性のあるチャレンジが求められます。 最後に、⑤賃上げと生産性UP。これは何をしようとも必要最低限のもので、成長加速化補助金で一番重要視しているものです。仮に、売上利益UP計画がその通りに行かなくてもペナルティはないのですが、賃上げが計画通りに行かなければペナルティがあります。
実は、国(経産省)の本音はここです。賃上げです。非常に簡単に言うと、「成長加速化補助金の第一目的は賃上げ!賃上げの為に生産性UP!その為に売上利益UP!その為に投資!それらすべてを速やかに加速的に実行する!その為の投資であれば補助する!」ということなのです。「何かの投資をするから補助するものではない」のです。
さらに、もっと短く言うと、「賃上げと生産性UPを精一杯やる為の補助金」と言えます。そして、採択企業はすべて公開されるので、この賃上げ計画は全国民に周知されます。当然ながら、自社の全従業員も見ます。社内外に賃上げと生産性UPを約束する補助金なのです。
ところで、これらの内容は補助金の話だけに留まらない内容とご理解ください。例えば、上記①~⑤の逆を考えます。 ①の逆:売上利益UPしない ②の逆:投資しない ③の逆:既存ビジネスモデルしかしない ④の逆:自社の強みがない ⑤の逆:賃上げしない、生産性UPしない
いかがでしょうか?このような会社に誰が入社しますか?頑張ろうとしますか??? おそらく、誰も入社したい!頑張ろう!となるはずはありません。 つまり、今回の5つのポイントは単なる補助金採択のテクニック論ではなく、まさにこれからの経営に欠かせないキーワードなのです。
そこで、本コラムに連動した内容のセミナーを8月22日(金)に企画しました。当日のメインゲスト講師として、大型補助金7億円超の採択に成功したFDSグループ様にご登壇頂きます。まさに本コラムの内容のモデル企業と言え、生々しい現場のお話を聞くことができます。
ご興味ある方は是非ご参加頂ければと思います。 |