年商100億円を目指す企業にとって、成長の鍵となるのは「顧客関係価値」の最大化です。顧客との長期的な関係を構築し、そこから継続的に生み出される価値をいかに最大化するかが、企業の持続的な成長を左右します。この顧客関係価値を向上させるための中心となるのが、CRM(顧客関係管理)システムです。船井総研では、このCRMを効果的に活用し、継続的に業績を上げている企業を「CRMカンパニー」と定義しています。
書籍『データ・生成AI活用で業界平均の3~5倍の収益性を実現する CRMカンパニー』船井総合研究所 (著)の表紙
CRMカンパニーは、単に顧客リストを保有・管理しているだけの「顧客リストカンパニー」とは一線を画します。顧客リストカンパニーの目的が「顧客情報の記録と管理」であるのに対し、CRMカンパニーは「顧客との長期的な関係構築によるLTV(顧客生涯価値)向上」を目的としています。CRMカンパニーは、顧客データ分析、マーケティングオートメーション(MA)、カスタマーサポートといった機能を駆使し、顧客ニーズの把握、セグメント分け、パーソナライズ化といった高度なデータ活用を行います。これにより、顧客ロイヤルティ向上、収益増加、そしてマーケティングコスト削減といった様々な効果を実現しています。企業の顧客接点全体を統合的に管理し、リード獲得から顧客育成、そして長期的な関係維持までを一貫して行うことが、CRMカンパニーの目指す姿です。多くの企業で見られる顧客データ管理の課題を解決し、データに基づいた戦略的なアクションを可能にすることが、CRMカンパニーの強みになります。
CRM活用の具体像と重要KPI
CRMは、企業の様々な顧客接点において幅広く活用されています。例えばBtoB企業では、CRM活用はリード獲得から始まり、商談、受注、そしてその後の顧客関係維持という一連のプロセスで中心的な役割を果たします。自社Webサイトからの問い合わせ情報、チャットボット経由の情報、展示会での名刺情報、イベントでのアンケート回答など、様々な経路から獲得した見込み客(リード)の情報は、まずCRMに集約されることから始まります。CRMに取り込まれたリード情報は、次に「リードナーチャリング」、つまり見込み客の育成に活用されます。定期的なメールマガジン配信はその代表例であり、配信したメールの開封やクリックといった反応、あるいはメール内のリンクからのWebサイト訪問履歴なども全てCRMに蓄積され、見込み客の興味関心の度合いを把握するために役立てられます。見込み客が特定の資料をダウンロードするなど具体的な興味を示したタイミングで、インサイドセールス部門が電話でアプローチを行いますが、この活動履歴もCRM内で管理されます。商談以降の提案、見積もり、価格交渉、最終的な受注・失注に至る全てのプロセスと結果がCRMで管理され、これらの蓄積された情報は分析され、次の新たな提案やマーケティング活動、そして効果的なリード獲得戦略へと繋がっていきます。
CRM導入による成果を測る上で、特に注力すべきKPIはLTV(顧客生涯価値)とCPA(顧客獲得単価)の二つです。LTVの向上は顧客との長期的な関係構築によって実現されますが、CPAはリード獲得にかかるコストであり、これを適切に管理・削減することも同様に重要になります。ターゲット顧客を明確にし、広告効果を最適化することで、CPAを削減し、費用対効果の高いリード獲得を目指します。
AIエージェントによる生産性向上
CRMの活用は、周辺ツールや最新技術との連携によって、さらに進化しています。特に近年注目されているのがAIエージェントとの連携です。AIエージェントは、人間の指示に基づいて自律的に判断し、複数のツールやデータソースを横断してタスクを完了させることを目指す技術になります。これまでのAIが特定の領域に特化していたのに対し、AIエージェントは状況に応じて様々な機能を使い分け、目的達成のための最適なプロセスを実行します。
船井総合研究所 自社実施セミナー ”100億企業化サミット2025” 2025-03-05
セミナー資料より引用「CRMにおけるAIエージェントの活用」
CRMとAIエージェントが連携することで、顧客対応や営業活動は劇的に効率化されます。例えば、顧客からの問い合わせがあった場合、AIエージェントはCRMに蓄積された顧客データを分析し、最適なサービスや次に取るべきアクションを提案することが可能です。
年商100億円企業が目指すべきは、顧客との長期的な関係から生まれる価値を最大化する「CRMカンパニー」への進化です。顧客データを深く理解し、AIなどの最新技術も活用しながら、顧客体験を向上させることが重要となります。LTV向上とCPA最適化をKPIに、顧客中心の戦略を実行することで、持続的な成長が実現できます。
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