地方で業績を伸ばし、100億円企業を実現している企業を分析した結果、以下の3つの共通点が見られました。
1. コングロマリット(多角化)経営 2. 多事業に対応したCRMシステム 3. CRMを活用したマーケティング
これらの共通点から、コングロマリット経営において、CRM戦略が業績向上に不可欠であることが示唆されます。
コングロマリット(多角化)経営とは
年商数十億円規模の企業は、単一事業だけでは成長が鈍化するタイミングで、新規事業への投資を行い、コングロマリット経営へと転換する傾向があります。このような企業は、再び2桁成長を実現し、業績を向上させています。実際、100億円企業の9割以上が、このコングロマリット経営を採用しています。
多事業に対応したCRMシステムの重要性
コングロマリット経営を成功させるためには、新規事業の業績を迅速に向上させることが重要です。そのために、顧客情報(リード)の管理が重要な要素となります。多くの中小企業では、名刺、アンケート、来店記録、Web問い合わせなどの顧客情報が適切に管理されていません。例えば、名刺管理が営業担当者に任せきりになっていたり、集客リストが事業部や店舗ごとに管理されていたりするなど、企業全体として顧客情報を有効活用できていないケースが見られます。
コングロマリット経営で新規事業の成長を加速させている企業は、既存事業で獲得した顧客情報を新規事業の集客に活用したり、その逆も行ったりするなど、顧客情報を事業間で相互に活用しています。このような顧客情報管理と活用を可能にするのが、CRM(顧客関係管理)システムです。
CRMを活用したマーケティング
顧客情報は企業にとって貴重な資産ですが、年賀状や暑中見舞いなどにしか活用されていない場合、それは大きな損失と言えます。しかし、CRMシステムがあれば、顧客情報に対して、履歴や属性などの情報を管理し、主にメールマガジンなどを活用して、ターゲットを絞り込んだ情報発信を行うことで、リピート購買を促進したり、新しい商品・サービスへの誘導につなげたりすることができます。
その代表的な例が、Amazonのマーケティング戦略です。Amazonは、書籍を購入した顧客に対して、メルマガで動画サービスを提案したり、関連性の高い商品群を提案したりすることで、LTV(顧客生涯価値)を高め、持続的な成長を実現しています。
また、CRMシステムには、メールマガジンの開封率、誘導リンクのクリック率、Webサイトのアクセス履歴などのデータを収集する機能があります。これらのデータを分析することで、顧客の購買意欲を把握することができます。購買意欲の高い顧客に対して、直接電話でアプローチすることで、購買を後押しし、業績をさらに加速させることが可能です。
結論
つまり、コングロマリット経営において、新規事業を増やし、業績を加速させるためには、CRMシステムが不可欠であると言えます。業績が伸び悩んでいる企業は、CRMシステムがなく、貴重な顧客情報をマーケティングに十分に活用できていない可能性があります。
実際に、船井総合研究所もZOHOのCRMシステムを導入することで、セミナーの集客数や営業案件数を毎年2桁以上増加させることに成功しています。これにより、新規分野の開拓や新規事業への展開が可能になり、持続的な成長を実現しています。 |