動画広告市場の現状と未来
デジタル広告の中でも、動画広告は目覚ましい伸びを見せています。
今後の動画広告の市場規模推移としては、
◆動画広告市場推計・予測
2022年=5,601億円
2023年=6,253億円
2024年=7,249億円
2025年=8,408億円
2026年=9,482億円
2027年=10,454億円
2028年=11,471億円
出展:サイバーエージェント社「2023年国内動画広告の市場調査」「2024年国内動画広告の市場調査」より
と、2022年~2024年の3年で129%の増加、2024年から2028年の5年間で158%の持続的な伸びが予測されています。
◆縦型動画広告市場推計・予測
2022年=336億円
2023年=526億円
2024年=773億円
2025年=1,072億円
2026年=1,508億円
2027年=1,942億円
出展:サイバーエージェント社「2024年国内動画広告の市場調査」より
縦型動画広告については、2022年~2024年の3年間で230%の伸びを示しており、2027年までの伸びは動画広告全体の中でも成長比率が高い分野となっています。
このように、TikTokやYouTubeショート、Instagramリール動画といった新たなプラットフォームの登場も、動画広告の普及を後押ししています。
かつて動画広告は「最先端」とされていましたが、今や「当たり前」の集客手法となりつつあります。
市場の変化としては、顧客との接点の多様化に加え、プライバシー保護の動き(クッキー規制など)が加速しており、これらに対応したクリエイティブ制作の重要性が増しています。
単に動画を制作するだけでなく、静止画と動画を組み合わせた多角的なアプローチが成果を出す上で不可欠です。
成果を出す動画広告の秘訣は「クリエイティブ」と「ターゲッティング」
動画広告で競合との差をつけ、成果を最大化する上で最も重要な要素は「クリエイティブ」と「ターゲッティング」に他なりません。
ニールセン社の調査データでは、デジタル広告の購買貢献率においてクリエイティブが47%と最も高い割合を占めています。
よく見られる失敗例として、テレビCM用に制作した高品質な動画をそのままデジタル広告、特にFacebookやYouTubeに流用するケースがあります。
しかし、これでは十分な成果を出すことは困難です。
重要なのは、「誰に何を伝えるか」というコンテンツの内容と、「どのように配信面に最適化して届けるか」というデリバリーの観点の二軸で考えることです。特に「配信面への最適化」は多くの企業で見落とされがちです。
META社が推奨するベストプラクティスがあるにも関わらず、80%以上の企業がこれを守らずに配信している現状が明らかになっています。
例えば、音声オフで視聴されることが多いFacebookでは、ナレーションに頼らずテキストで補足したり、横長ではなく正方形や縦長(4:5)のサイズで制作し、大きな表示面を確保するなどの工夫が必要です。
YouTube動画広告の出し方においても、この配信面への最適化は極めて重要です。高品質な映像であっても、ユーザーの視聴環境やプラットフォームの特性に合わせて見せ方を工夫しなければ、伝えたいメッセージは届きません。
動画広告配信の際は顧客ステージによって最適な動画の出し方を行う
顧客の検討ステージは、
「認知→興味・関心→比較・検討→購入」
と、段階を追って進んでいきます。
例えば、YouTube広告の場合は狙いたいターゲットごとに適切な広告配信面が変わってきます。
認知・リーチ
動画リーチキャンペーン (VRC)、バンパー広告、TrueView リーチ広告、マストヘッド、Google TV マストヘッド、YouTube セレクト、スキップ可能なインストリーム 15秒、動画リーチキャンペーン(ターゲットインプレッションシェア)
興味・関心
動画ビューキャンペーン (VVC)、TrueView インストリーム広告、インフィード動画広告
比較・検討
デマンドジェネレーションキャンペーン、動画アクションキャンペーン (VAC)
購入
デマンドジェネレーションキャンペーン、動画アクションキャンペーン (VAC)
といった形です。顧客フェーズによって動画広告の出し方を選択することで効果が最大化されます。
動画広告の成果を最大化するために、「ターゲッティング」「配信先」「クリエイティブ」を明確化
動画広告を出す際は、
どんな人に見てもらいたいか?
・年齢 ・性別 ・地域 ・媒体(PC、スマホ、タブレット、TV)
・何に興味・関心があるか? ・過去のWEB上での行動
どこに配信するか?
・すべての動画ページ ・特定のYouTubeチャンネルや動画
・YouTube外のWEBサイトやアプリ
・Facebook ・Instagram ・TikTok
どう見せるか?
・動画フォーマットの種類 ・動画の内容
など、「ターゲッティング」を元に、適切な「配信先」と「クリエイティブ」を設定することが重要です。
動画制作のハードルと効果的な第一歩
動画制作そのもののハードルは、TikTokやCapCut、Canvaのようなツールの普及により、劇的に下がっています。誰でも簡単に動画を作成し、配信できる時代になったと言えるでしょう。
しかし、「成果の出る動画広告」となると話は別です。ここにこそ、多くの企業が抱えるハードルの高さがあります。
成果の出るYouTube動画広告の出し方を実践するための第一歩として、「配信面をきちんと見ること」を強く推奨します。
自社が広告を出す媒体(YouTube、Facebook、Instagram、TikTokなど)で、実際に広告がどのように表示され、ユーザーにどのように見られているのかを把握することが出発点です。
競合他社がどのようなクリエイティブを配信しているのかを観察し、ユーザー視点で「どんな広告なら自分は興味を持つか」を考えることが、効果的なクリエイティブを制作する上で非常に役立ちます。
成果を急ぐなら動画の専門家連携も検討を
動画広告で迅速に成果を出したい、すぐに広告展開を進めたいという企業様は、専門知識を持つパートナー企業との連携も有効な選択肢です。
船井総合研究所でも、動画制作・動画プロデュースサービスを提供させて頂いております。
伸びている動画広告を成果に繋げたい方は、是非ご活用ください。
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執筆者: マーケティングイノベーション支援部 ディレクター 松本 治 まつもと おさむ |