今回はデジタルマーケティングで、意外とできていない「守り」をご紹介します。
新規集客など、攻めのマーケティングを行う企業が増えています。
取得した個人情報など、必ず守るべきものがあります。
しかし、個人情報保護などの対応が不十分な企業も多いです。
個人情報の漏洩などは、以前から厳しい世間の目があります。
自社でも間違った認識がないか、企業として対応必須な部分をお伝えします。
・デジタル広告
・デジタルマーケティング
・DX(デジタルトランスフォーメーション)
などの言葉は、事業を良くする、集客する、業績を上げるなど攻めの施策が多いです。
今回は守りの面のお話です。
新しいこと故に知っておかなければいけない経営者のリスクや、Web担当者に理解すべきことをお伝えします。
デジタルマーケティングの現状
2020年から2021年にかけて転機がありました。
マスコミ4媒体の広告費を、インターネット広告が上回りました。
マスコミ4媒体とは、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞です。
デジタルマーケティングは、今や多くの企業が取り組んでいます。
一方で対策しておかなければいけない施策があります。
デジタルマーケティングの基本的な流れ
お客様を起点に、デジタルマーケティングの基本的な流れをご説明します。
窓口は、主に4パターンです。
・コーポレートサイト
・専門・サービスサイト
・ポータルサイト
・SNS(Facebook・LINEなど)
これらを使って情報発信していることが多いです。
発信媒体から、コールセンターや受付の窓口、フォームなどで問い合わせを受けます。
お名前や生年月日を聞くこともあるかと思います。
いただいた情報をマーケティングに活用するのが、デジタルマーケティングです。
情報を保管する場所がデータベースです。
データベースには、営業担当などがアクセスします。
新規には新規営業を、既存には追加注文の営業へと動きます。
今はオンラインやチャットなどで商談が生まれます。
これが、デジタルマーケティングの基本的な流れです。
営業担当は、お客様のさらに詳しい情報を知っていることがあります。
例えば、年収や、家族構成などです。
病院では病歴を、士業では資産を聞くことがあります。
患者様、依頼者様からいただいた情報を含めてデータベースに入れます。
デジタルマーケティングの目的は、
①新規問い合わせを生み、営業アプローチを経て、新規のお客様を増やす
②見込み客や既存のお客様をデータベース化し、ライフタイムバリューを上げる
デジタルマーケティングを通じて、業績アップする企業が非常に増えています。
デジタルマーケティングの攻め
今、デジタルマーケティングの「攻め」は、コロナも含めて大きく変わりました。
パソコンやスマホが一気に普及しました。
今やほとんどの方が、Webサイトをスマホを見ています。
船井総研のご支援先の多くが、自社のホームページの閲覧の約7割がスマホです。
船井総研もコロナ禍で、ご支援先と一緒に、攻めを一気に加速させました。
下図は、当時セミナーでご紹介した内容です。
・スマートフォンサイトの作成
・ネット広告の強化
・それらを取り扱うデジタル人材の採用・育成
などは、既に実施していますでしょうか。
デジタルマーケティングや、DX(デジタルトランスフォーメーション)は、ビジネスモデルを問いません。
個人向けのBtoCの企業や、法人向けのBtoBの企業でも活用されています。
経営戦略にも繋がることがあります。
デジタルマーケティングの守り
先程お話ししたデータベースを起点に、ご説明します。
データの保管場所は、クラウドやパソコンのローカル、紙での管理などです。
データベースから様々な人が、データに触れられます。
経営者や管理者、営業担当、電話受付対応、第三者のパートナーなどです。
これが上手くいけば、業績が上がります。
お客様情報を有効活用するのが、デジタルマーケティングです。
万が一漏洩、毀損、紛失した時の対策が、デジタルマーケティングの守りです。
お客様情報を取得したら、管理は必須です。
個人情報の管理を誤った場合、大きな信用を失います。
大企業では、ニュースになっていることもあります。
自社で発生した場合、取引先やお客様、行政に届け出することも必要になります。
その連絡をした時点で「今後の取引を見送る」と言われないよう、守り方をしっかり確認しましょう。
このような会社様は必ず対策が必要となる
以下5つに当てはまる会社は要注意です。
①問い合わせフォームから顧客情報を取得
紙のアンケートや、ホームページのお問い合わせフォームなどです。
フォームからお客様情報を取得する場合、取得した情報の取り扱いルールを決める必要があります。
②デジタルマーケティングと、顧客管理にCRMを導入
お客様情報をCRMのツールで管理している場合です。
商談内容などの記録をCRMツールで記録している場合があります。
ツールへのアクセス権限や、情報をどう活用するのかを決めます。
➂営業管理に全社共有のクラウドツールを使用
非常に多いのが、クラウドツールでの全体共有です。
個人管理だった営業管理をGoogleスプレッドシートにして共有するなどです。
この情報に誰がアクセスできるのかを確認します。
④グループ会社間での情報共有
グループ会社間で、情報管理や情報活用する場合も必要です。
例えばハウスメーカーで新築住宅の営業時に
お客様から「今の物件のリフォームも検討している」ことを聞きます。
営業から
「うちのグループの会社でやります」と言った際に、
グループ会社にお客様情報を渡して良いかが問題になります。
ここでのお客様情報は、お客様の家族構成、年収情報などです。
グループ会社間でも情報の取り扱いは大事です。
⑤患者様や依頼者様の要配慮個人情報をクラウド管理
取り扱う情報は患者様や依頼者様のものです。
法律事務所やクリニック・医院では、要配慮個人情報というセンシティブな情報を扱います。
個人情報保護法とはまた異なる制限をかけて、運用します。
2022年4月、個人情報保護法が施行されました。
中小企業でも例外ではありません。
事業主の責任は重くなっています。
テレビやSNSでも企業の情報漏洩や紛失の報道は注目されます。
企業の信用・信頼に大きく影響を与えます。
もし未対応の場合、大きく信頼を損ねてしまいます。
「守り」ですべきこと
最低限の法律を厳守・規程の整備としてすべきことは2つです。
①個人情報保護方針(プライバシーポリシー)
ホームページで取得したお客様情報をどう利用するか、どのように活用するかを明記します。
・リマーケティングをやっている
・MA(マーケティングオートメーション)ツールでメルマガを送っている
などの場合は、閲覧履歴を分析し、新商品やサービスに関するプロモーションで使用していることになります。
何に使うかを明記して、個人情報保護方針やプライバシーポリシーを整備します。
②個人情報管理規程
いわゆる社内規程です。
社内で個人情報をどのように扱うかを取り決めます。
以下の4点です。
組織的安全管理措置
物理的安全管理措置
技術的安全管理措置
人的安全管理措置
簡略すると、組織として
・どの部署が、何の情報にアクセスできる、を決める
・もし違反してしまった場合の対応
を決めることが、安全管理措置です。
物理的に持ち出しを禁止する、セキュリティを強化する、従業員に研修を受けさせるなどです。
個人情報の取り扱いでは、個々の思い込みや、認識の齟齬があります。
企業は、従業員が守りをできるようにする責任があります。
今、情報はデータで保管する時代です。
このように安全管理措置が必要があります。
前提として、人や社会が企業活動をする中で、エラーや万が一が起きてしまった場合などの対応もこの措置に入ります。
社内のルールも整備しましょう。
これら2つの整備が、デジタルマーケティングの最低限の守りです。
自社の点検から始めていただければと思います。
専門家(弁護士)に相談
規定整備をしたが、大丈夫か気になると思います。
その場合、顧問弁護士などに相談しましょう。
自社の事業やデータ管理状況に合わせて、上記の規程整備を見てくれます。
また業界で一定の規制がある場合も、ルールを守ることが大事です。
個人情報の取り扱いに関するアドバイスをもらえる専門家の窓口を設けることが重要です。
経営課題としてデジタルマーケティングの守りを
攻めばかりでは、足元をすくわれ、大きな損害に繋がりかねません。
個人情報保護法は凄く厳しいものです。
個人情報が漏れないような管理や、ウィルスなどの対策も必要です。
色々な可能性を排除し、きちんと対策する必要があります。
デジタルツールの導入など、色々大変なことがあるかもしれません。
しかし、これらは必要最低限のことです。
今はデジタルマーケティングが主流です。
ほとんどの企業が対象、かつ規模に関わらず必要になります。
プライバシーポリシーの対応など、まずは専門家への相談も有効です。
経営課題、経営の施策として、実践してください。
他にも、最新の業績アップ事例を踏まえて、事業に役立つ情報を発信していく予定です。
楽しみにしていてください。