- 原材料&原油価格高騰!どう経営する?
- 原材料&原油価格高騰!どう経営する? 関連コラム
原材料の価格推移
ここ2年間での新型コロナの影響、そして、ロシア・ウクライナ問題の影響もあり、あらゆる業界で原材料コストや原油コストが高騰しています。
この流れは当分続きそうで、今後も不透明なだけに、企業経営からすると非常に難しい舵取りが続きます。
そこで、以下のグラフを整理してみました。



これらのグラフは原油・鉄鉱石・小麦の1980年以降の年次別価格推移を示しています。
原油価格は言うまでもなく、エネルギーコストであったり、石油製品価格の指標になりますし、鉄鉱石価格はあらゆる金属材料の価格の指標になります。小麦も食品関連材料を代表する存在です。
したがって、これら3品目の価格推移を見ることで、世の中のライフラインに関する価格推移が見えてきます。
これらのグラフを見ると一目瞭然です。つまり、2000年までの20年間の価格推移は比較的穏やかでしたが、2000年以降(特に2004年以降)の20年間は相当な乱高下があったことが分かります。
そして、今はまさにその直近20年間の中でも最高値に近付く、もしくは、突破する勢いです。
さらによく見ると、直近20年間についてはこれら3品目ともほぼ同じ価格推移であることも分かります。
つまり、2004年頃から一気に上昇し出して、2008~2009年にガクンと下がり、また、2010年には上昇し出して2013年にピークになり、また下がり、2015~2016年に底を打った後は2022年に向けて上がり出しています。
ガクンと下がった2008~2009年はリーマンショック、2015~2016年は高度成長が続いてきた中国経済に陰りが見え始めた頃で、突然の人民元切り下げ等もあり、世界同時株安が起きた時期でした。
いずれにしても、これほどまでに乱高下すると、本当に企業経営が難しくなりますし、今後も、このような、あるいは、これ以上の乱高下が予測されます。もっと平穏になって欲しいと思ってもそうはならい(平穏にならない)と思っていた方が常識的です。
コストが乱高下する時代に目指すべき経営
問題は、「このように原材料やエネルギーコストの乱高下を前提とした場合にどのような経営を目指すべきか?」です。
一言で言えば、「原材料等の乱高下の影響を極力低減できるビジネスモデル」であることです。
まず、「単純にモノを仕入れて売るというビジネスモデル」では難しいでしょう。
原材料等乱高下の影響が直撃するからです。
要は、「自ら付加価値を作れるビジネスモデル」でしか、このような乱高下の時代には安定しなくなります。
「付加価値を作れる」とは、やはり「熟練したヒトの手が介在して差別化できるノウハウ・情報・スキルが必須」ということです。
しかし、今時、そのような熟練者を採用する・育成する方が難しく、その技術継承も困難です。
そこで、「DX化」が必須となります。
「熟練技術・熟練ノウハウ・熟練スキルのDX化」です。
誰でもできるような、誰でも知っているような技術・ノウハウ・スキルではなく、
その企業独自の技術・ノウハウ・スキル、
それをDX化していくことで、永続性と安定性が作れるようになります。
「原材料やエネルギーコストの乱高下時代であるからこそDX化!」とご理解頂ければと思います。
菊池 功