1．建設業界の現状

建設投資額の推移/建設投資額の内訳/住宅着工戸数の推移/民間建築の着工棟数の推移/建設業界の現状まとめ

2.2025年 建設業界の予測

生産性向上/2025年 実施いただきたいこと/高収益体制の構築/パートナーづくり/ブランディング戦略/AI活用

3.2025年 実施いただきたいこと

船井総研おすすめの2025年実施施策4選

4.具体的な取組み

DXツール導入/M&A、異業種連携/専門ブランド立ち上げ/生成AI活用

5.事例

船井総研おすすめのビジネスモデル

船井総研の分析によると、建設投資額は近年変動しています。2024年度の予測では、土木分野の建設投資額は増加傾向にある一方、建築分野は減少傾向にあります。政府主導のプロジェクトが土木投資を牽引する一方で、住宅や民間建築の着工戸数・棟数は2022年から2023年にかけて減少が続いています。特に倉庫、事務所、工場、店舗といった主要な建物用途での減少が顕著です。
これらの背景には、国内建設業における深刻な人材不足とそれに伴う労務単価の上昇、さらには専門工事費や材料調達価格の高騰があります。結果として、建設工事原価が値上がりし、施主が高額な建物の建設を避ける傾向に繋がり、着工数減少を招いています。このように、建設業界は「人材不足によるコスト増」と「物価高騰による着工減」という二重の課題に直面し、経営を圧迫しています。

現在直面している課題への対策を怠り、現状維持を続けた場合、建設業界の企業は今後、より深刻なリスクに直面します。
・人材不足の深刻化：受注機会損失や工期遅延、コスト超過が増加。
・収益性の悪化：高騰するコストを価格に転嫁できず、利益率が低下。
・競争激化と受注難：着工数減少の中で、高収益案件獲得競争が激化し、受注が困難に。

経営体力・競争力低下：変化への対応やDX導入の遅れにより、他社との競争力が低下し、優秀な人材の流出を招く恐れがあります。
現状維持は衰退を招くだけです。変化を好機と捉え、戦略的な経営シフトを行うことこそが、今後の成長への鍵となります。

2025年は、建設業界にとって大きな転換点となるでしょう。この時代を勝ち抜くためには、高収益な建設生産体制を構築し、生産性を向上させることが求められます。これは、粗利を増やし、総労働時間を減らすことを意味します。 船井総研は、2025年に向けて特に注力すべき以下の4つの戦略を推奨しています。

船井総研は、2025年に向けて特に注力すべき以下の4つの戦略を推奨しています。

・戦略1

高収益な建設生産体制の構築 物価高と人材不足を乗り越え、利益を最大化するためには、粗利アップと総労働時間削減が鍵となります。その実現には、バックオフィスと現場双方でのDX（デジタルトランスフォーメーション）推進が不可欠です。ビジネスチャットやRPA、現場管理ツールやICT建機などの導入により、業務効率化と生産性向上を図ります。
・戦略2

人材・企業との連携による成長加速 深刻な人材不足を自社単独で解決することは困難なため、2025年の人手不足対策の鍵は、M&A、IT企業、ゼネコン、設計会社、専門工事会社、不動産会社、補助金申請会社、税理士、人材紹介・派遣会社など、多岐にわたる「パートナーづくり」にあります。
・戦略3

選ばれるための建設ブランディング戦略と成長市場への挑戦 今後の時代に勝ち抜くには、自社の強みを明確にし、顧客に「選ばれる」存在になる必要があります。「専門店の複合化戦略」により複数の専門領域を組み合わせ、差別化を図ります。また、着工減の中でも成長が見込める倉庫・工場建築、小規模倉庫建築、ローコストマンション、工場改修などの市場を狙うことも重要です。
・戦略4

生成AIの徹底活用による業務効率化 Chat GPTやGeminiといった生成AIは、建設業界の業務効率を劇的に向上させる可能性を秘めています。2025年は、全社員が積極的に生成AIを活用し、自社独自のプロンプトを作成することで、最大限の生産性向上を実現すべきです。文章の誤字脱字チェックや手書きアンケートの文字起こしなど、多様な業務での効率化が期待されます。