なぜ「今」財務戦略が必要なのか
まずはなぜ「今」財務戦略が必要なのかといいますと、現在コロナがまだまだ続いている中、そして昨今のインフレということで、やはり企業を経営していく中では非常に厳しい環境下が続いています。そういう中で他社と圧倒的差別化を図ることができるのが財務戦略になります。経済が停滞している中でも2桁成長を実現している企業というのは計画的な資金調達戦略が描けていますし、実はこの財務戦略というのは経営課題の中でも重要度が非常に高いというのは経営者の皆様はよくご存知なのですが、緊急度が高いかどうかと言われると色々な経営課題がある中で事業戦略や、人材戦略、DX戦略などがあると思いますが、財務戦略の取り組み順位はどうかと言われると結構下位のほうになってしまいます。こういう不景気な時、経営環境が厳しい時だからこそ財務戦略の優先順位を上げることで他社は取っていない圧倒的差別化というのは資金が確保できれば投資が続けていけますのでこういった中で調達戦略をしっかり描いていただいて、皆様にはこの環境下でも再ステップアップとして企業の成長スピードを上げていただきたいです。
昨今の現状を中小企業の取り巻く経営課題、経営環境としまして、ここは財務だけではなく色々な経営課題があると思います。例えば事業環境の中で既存事業であれば成熟市場の場合であればこれは二極化がさらに進んでいく、そしてコロナ禍・ロシア問題等によって人・物・金にも二極化が波及をしていきます。そして例えば人材であってもコロナ以降を見据えた中核人材への投資と、今も昨今は最低賃金を上げようということでよくニュースに出ていると思いますが、やはり最低賃金の賃金上げに加えて、働き方改革が都市首都圏だけではなく地方の企業にも展開していることが目下の経営課題です。財務に関してはやはりコロナ制度融資というのが一段落しておりまして、その中でやはり返済が始まっていく、それこそ海外でいくと今は金利上昇というところもありますのでこの破綻件数が今後は増加していく形になってきます。
その中での今後の展望ということで船井総研が今考えているところでいくと、事業環境は既存事業に関してはやはり一番企業には顧客だけではなく人材と資金、そして物品、いわゆる人・物・金の部分の吸引力がより高まってきます。新規事業に関しても、例えばコロナ以前の場合であれば高齢化やデジタル化が一つのキーワードになっていたのですが、現在コロナが進んでいく中では低投資や無人・省人・省在庫というのが一つのキーワードになってくるのではないかということになっています。果たして財務はというと、これからは新規投資にまつわる資金調達手段の多様化、これは今日お話しさせていただく金融機関からの調達というところではあるのですが、これを金融機関からの間接金融に頼らず一般市場から調達していくように、資金調達も多様化していくということです。本日はこの「財務」の目下の経営環境から今後の展望も踏まえてこの新規投資にまつわる資金調達の多様化、つまり金融機関からの資金調達をどう高度化させていくのかというのがこのセミナーのテーマの一つになってきます。
先程は経営課題がたくさんある中で財務の優先順位が低くなってしまうというお話をしましたが、実は財務を中心に置いて、そこから各経営テーマを回している会社が現在持続的に成長している企業の特徴になります。この財務を中心に置くことで全ての財務が関わってきますので、ここを起点に色々な事業を展開していくことが今後は必要になっていきます。例えば先程の財務と既存事業でいくと、やはり既存事業成長のためにはいわゆる資金調達や財務戦略が必要になりますし、例えばIPOを目指していく場合においてもやはりIPOに耐えうる財務管理体制をしっかりと構築していく。そしてIPOをするまでに企業を成長させていかなければいけませんので、企業成長のためにはこれも投資がかかってくるといった形で財務を起点にしていくことで全ての事業がうまく循環していくようになっています。ここが恐らく今ご参加いただいている皆様はこの中心に例えば今の既存事業がきていたり、人材戦略がきていたりといった形でメインテーマが異なっている場合があると思います。ぜひここを財務に切り替えていただくことで、他社はここをやっていないので、そこで差別化を図っていくというのも一つの事業戦略になります。
その中で成長を続けている特徴としてどんなことをやっているのかを解説していきたいのですが、今は借入金10億というところをキーワードに今日のセミナーにご参加いただいていると思うのですが、大体借入金10億が見えてくる企業の年商規模でいくと、恐らく売上20億円から30億円が見えてくるような立ち位置にいらっしゃると思います。
その中で先ほどの各経営テーマを見ていくと、まず既存事業に関しては成長率・利益率を共に1桁成長を続けていきます。そして新規事業に関しても既存の本業が非常に強くあるので新規事業に関してはまだまだ発展途上で人材に関しても主力は営業さん等になるのですが、主力業種の量の確保に進められています。こちらの「PMVV」のミッション・バリュー・パーパス経営の部分に関しては自社の主力事業の軸、ミッション・バリューというものをメインでやっております。そして財務に関しては無計画な資金調達、これからお話しする計画的な資金調達ではなく投資ありき、金融機関の提案ありきでの資金調達になっているケースが多いです。
ここから20億、30億を超えて行くために次は何をしていかなければいけないのかというとこれにはチーム作りと書いてあるのですが、まず既存事業でやっていくことは高収益化を図っていくことです。財務に関しては計画的な調達戦略を描いていく、こうした各テーマの突破口を取り組んでいただいて次の企業ステージに上がっていただくことが必要になります。
次のステージでは年商50億以上、その次は100億という目標が見えてきますが、現状でいくと年商50億が次のステップです。従業員数に関しても200名ぐらいを目指していこうという中で年商50億、そして社員数が200名になったタイミングで利益率は2桁を確保できるような既存事業の体制を作っておきます。人材に関しては今のタイミングで人材開発のギアチェンジを突破口にしていただいて、経営者・幹部予備軍のための採用、そして育成・組織デザインがしっかりできていることが必要になってきます。
そして財務に関しては、この50億のタイミングで資金調達の多様化、つまり企業側が取れる資金調達の選択肢をどれだけ持っていられるかが50億に到達していくためには必要になってきます。恐らく今の資金調達方法で事業拡大をしていくとそれこそ30億、もしくは40億ぐらいでストップになるケースが非常に多いです。これは我々によく財務相談をいただく企業の皆様の平均年商が大体10億円から30億円ぐらいになってきますが、30億円ぐらいになってくる企業の課題としては、今まで無借金でやってきたという企業に関してはこれから資金調達を続けていくことで解消していく形になりますが、既存の資金調達ありきで事業を拡大してきた会社にとっては一つ30億というのが壁になります。これは後ほどお話ししますが、金融機関の中である程度借入額が10億ぐらいに到達してくるので、そのタイミングだと今までのスピード感では投資や在庫の仕入れができなくなっていく環境になっていきます。
この財務についてはこの後お話をしていきますが20億、30億から50億に到達する中で少し考え方を変えて、企業のライフステージごとにどんな財務を取っていかなければならないのかに着目していくと、導入期であれば創業資金の確保が必要になってきますし、成熟期になると財務管理の高度化や決算の早期化であったり、CFOをしっかりと育成して社内に設置していくといった財務管理の高度化、そして衰退期であれば経営改善が必要であったり、新たな事業転換をしていくこと、そしてM&Aというのも一つの選択肢になってくると思います。
そして最終的には事業承継をしていくのか、例えばIPOというものもまた違う出口としてはあると思うのですが、やはり衰退期・安定期まで来てしまうと恐らく事業承継が選択肢として入ってきます。今日ご参加いただいている皆様は恐らくこの成長期に差し掛かっている会社様が非常に多いと思います。やはり成長期にとって必要な財務戦略というのはこの成長のための資金調達、これが一番必要になってくるのでこの成長スピードをどういった成長度合いで会社を進めていくのかによって成長のための資金調達も変えていかなければいけません。
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