本コラムの概要
本コラムでは、「100億宣言」について徹底的に解説します。なぜ今「売上高100億円」を目指すことが重要なのか、その目的、対象企業、宣言によるメリットなどを船井総研の100億企業化コンサルティングの観点から詳しく解説していきます。
最後には、船井総研が提供する100億企業化関連レポートや無料経営相談についてもご案内いたします。飛躍的な成長を遂げたいと考える中小企業の経営者の皆様の理解を深め、成功に向けて一歩踏み出すための一助となれば幸いです。
「100億宣言」とは何か?
日本の経済は大きな変革期を迎えています。30年ぶりの高い水準での賃上げ率や国内投資が見られる一方で、多くの中小企業は物価高や人手不足といった経営課題に直面しています。このような状況下で、経済の好循環を全国に行き渡らせ、地域経済にインパクトを与える成長企業を創出することが喫緊の課題となっています。
そのための施策として、中小企業庁及び独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が主導する新たなプロジェクトが始まりました。その第一弾が、中小企業が「売上高100億円」という野心的な目標を自ら掲げ、その実現に向けた取組を宣言する「100億宣言」プロジェクトです。
なぜ「売上高100億円」を目指すのか?
「100億宣言」とは、中小企業の皆様が飛躍的成長を遂げるために、自ら「売上高100億円」という経営者の皆様にとって野心的な目標を目指し、実現に向けた取り組みを行っていくことを宣言するものです。これは、単なる目標設定に留まらず、企業としての強いコミットメントと具体的な実現可能性を明らかにし、我が国及び地域経済を支える中小企業の加速的な成長に向けた機運の醸成を図ることを目的としています。
では、なぜ「売上高100億円」なのでしょうか? 一般的に売上高が100億円に及ぶ企業は、賃金水準が高く、輸出による外需獲得やサプライチェーンへの波及効果も大きいなど、地域経済に与えるインパクトも大きいものとなるからです。政府は、こうした一定規模の企業を創出することが地域に良質な雇用を生み出し、「稼ぐ力」を大きく伸ばすために重要だと考えています。
政府は、長きにわたったコストカット型経済から脱却し、デフレに後戻りせず、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」へ移行できるかどうかが、まさに正念場であると認識しています。その鍵を握るのが、日本の雇用の7割、付加価値の5割以上を占める中小企業・小規模事業者の皆様の役割であり、何より経営者の皆様の取り組みにあるとして、これを全力で応援しています。
「売上高100億円」という高い目標は、経営者だけでなく社員の皆様にも、「大規模な取引先とも対等なパートナーとなること」、「別次元の事業環境」、「世の中に影響を与え、貢献できている」という新たな実感を得ていただくことに繋がると考えられています。そして、経営者・社員が一丸となり、会社を盛り上げ、投資と賃上げを通じ、更なる成長への「きっかけ」になると期待されています。
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「100億宣言」の対象となる企業
宣言できる企業は、原則として中小企業基本法に基づく中小企業者又は法人税法に基づく中小法人であり、売上高10億円以上〜100億円未満の中小企業です。
出所:(株)東京商工リサーチのデータに基づき、船井総研が加工
引用:船井総合研究所.“100億企業化コンサルティング”.https://www.funaisoken.co.jp/solution/ap-10billion_703_S084 ,(2025‐04‐30)
「100億宣言」を行うメリット
「100億宣言」を行うことには、様々なメリットがあります。
1.補助金等の活用における基本要件となっている。
「100億宣言」の取得が、一部の補助金や支援、税制を活用する上で、基本要件となっている場合があります。
例としては、中小企業成長加速化補助金や経営強化税制の拡充措置などが挙げられます。特に中小企業成長加速化補助金は、売上高100億円を目指す中小企業の大胆な設備投資を支援することを目的としており、補助上限額5億円(補助率1/2)という大型の補助金です。この補助金の応募資格の要件の一つに「100億宣言」を行っていることが含まれています。
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2.経営者ネットワークへの参加
「100億宣言」を行った成長を目指す経営者が、地域・業種を超えて繋がれるネットワークが構築されます。このネットワークは、地域や業種を超えた、多様・異質な経営者のネットワークであり、高い成長意欲を共有する場です。100億達成に資する成長の視座・発想を得られ、高い成長を目指す経営者ならではの悩み・解決策を共有できることが期待されます。こうした経営者ネットワークが構築されることで、機運醸成にも繋がり、より多くの経営者が100億企業を目指しやすくなる「好循環」が生まれると考えられています。
3.公式ロゴマークの活用による自社PR
「100億宣言」企業は、公式ロゴマークを使うことができます。名刺などに記載することで、自社の取組をPRすることができます。このロゴマークは、激動の時代に様々な課題に立ち向かい挑戦する経営者を、古来より生きる「龍」が飛翔する姿に重ね、数字の「100」をモチーフに、スパイラルで飛翔する龍を表しています。企業・経営者の皆様が「売上高100億円」という高い目標に向けて、躍動・飛躍していくようにという願いが込められています。
引用:中小企業庁.“100億宣言".「100億宣言の公式ロゴマーク」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/100oku/index.html.(2025 -05-01).
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4.宣言内容の「見える化」
宣言した企業の取組は、「見える化」され、事務局が運営するポータルサイトに掲載されます。これにより、より一層の機運醸成を図ることが可能です。また、目標の公表により、世間の注目が集まることで、支援や助言、ビジネスチャンスを得やすくなるメリットも考えられます。
まとめ
「100億宣言」は、中小企業が自ら売上高100億円という高い目標を掲げ、飛躍的な成長を遂げるための取組を宣言する、野心的なプロジェクトです。この宣言を行った企業は、中小企業成長加速化補助金をはじめとする様々な支援や税制の活用、経営者ネットワークへの参加、公式ロゴマークによる自社PRなど、多様なメリットを享受することができます。
2025年5月8日に申請受付開始が予定されており、100億企業成長ポータルサイトを通じて申請が可能となります。売上高が10億円から100億円未満の中小企業の皆様は、自社の飛躍的成長を実現するための目標設定とその達成に向けた具体的な取組を検討し、「100億宣言」に挑戦されてみてはいかがでしょうか。宣言することで、企業全体の意識が高まり、投資と賃上げを通じたさらなる成長のきっかけとなることが期待されます。
最後に
私たち船井総研では数多くの業種で100億企業化を支援した実績があります。
各業種とテーマに精通したコンサルタントが、部署を横断したプロジェクトチームを立ち上げ、クライアントに対して最適なソリューションを提案します。
また、船井総研では全国の経営者が集い、最新の経営事例を学び、情報交換をする「経営研究会」を「師と友づくり」をコンセプトに運営しています。
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