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モデル企業ルポ(グレートカンパニーレポート)

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部品加工業





株式会社 加藤製作所
代表取締役社長 加藤 景司(かとう・けいじ) 氏


製造業をはじめとする企業が続々と海外に拠点を移す中、日本に残り、生き延びようとするプレス板金加工業がある。株式会社加藤製作所は、限られた人と技術、資本、地域、信頼を最大限に活かすことで、日本のモノづくりの礎をもう一度築きたいという。


岐阜県中津川市で自動車・家電部品を製造する株式会社加藤製作所は、「絞り加工」といわれる加工技術を強みに、127年にわたり発展してきた。しかし、高度成長を支えてきた特定顧客の下請体質は、この時代に対応する柔軟性の妨げとなった。取引先や同業者が海外に進出する中、同社は国内でのマーケット拡大を選んだ。

展示会では多くの認知を得るものの、受注に至るのは交換した名刺の1%に過ぎなかったという。顧客は会社ではなく技術に魅力を示すという加藤社長は、強みを全面に出すサテライトページ「絞り加工.com」を立ち上げ、WEB集客戦略をとった。わかりやすさ、比較しやすさを重視したことで、家電、自動車、住宅、そして航空機など全国のさまざまな業界から「こんな加工はできないか?」との問い合わせが入り、14社の新規顧客、売上3.6億円を創出することができた。



(写真左)「絞り加工」は、一枚の金属板に圧力を加え、凹状にする技術で、プレス加工でもっとも難しいとされる
(写真中央・右)技術を訴求することでターゲットを絞る、効率性の高いWEB集客
絞り加工.COM  http://shiborikatoeigyo.com/ ファイバーレーザ溶接.COM http://fiberlaser-weld.com/
 


高齢者の登用が奏功

多品種小ロットの需要に対応するため、土日の機械稼動を開始、60歳以上に限定したパート社員雇用を決めた。シニア雇用で人件費を低減できるという考えだったが、思いがけず応募が殺到し、14名からのスタートとなった。高齢者の就業には、ハード・ソフト両面の環境整備を必要とした。現場の声を聞きながら、照明をより明るくしたり、作業を見える化したりと改善を重ねた。作業の習得はマンツーマンでOJTを行い、同じ作業を繰り返す定型業務を、分業することで休みを取っても他の人がカバーできる体制とした。「まずはやってみよう」と始めた加藤社長だったが、働く高齢者の姿は、想定していたより10歳は若く感じたという。それだけでなく、まじめにこつこつ取り組む姿勢、作業の正確さ、創意工夫、率先して早く出社して準備を行うなど社員の模範となり、学ぶべき点が多かった。「一生懸命働くのは農耕民族である日本人のDNAなんですね。定年制が生まれたのは1920年代。もともと周囲と助け合って働いていたものです」

現在では、一部を除き社員とともに平日フルタイムで働いている。溶接箇所の不純物を取り除く作業や、金具を50個ずつ、一日400箱を梱包するなどの作業を機械を使用しながら行っている。高齢者は低単価工程の戦力にもなるのである。また同時に、同社で勤め定年を迎えた社員も、パートとして再雇用している。部品加工業は技術で勝負する。ここで力を発揮し、技術を若手に伝承している超ベテランだ。現場のリーダーは人材の能力や特性を活かし、適材適所に配置ができる。互いの長所で補完しあう、年齢性別を越えた最強チームを実現できているのだ。当初は人件費の安定をもうひとつの目的に取り入れたシニア雇用だったが、思わぬ効果に、今では社員の約半数が60歳以上となっている。




(写真)シニア世代と現役社員の垣根はなく、一緒に仕事をしていても違和感はないという。
仕事環境や精神面でのフォローは綿密に行う。


古きもの新しきものの融合を強みに

大きく流れを変えたのは、航空機業界への参入だ。技術品質が認められ、ボーイング787の部品加工を担い、量産へとつながった。また日本製小型旅客機MRJのプロジェクトにかかわることができ、主翼の部品加工に参画。航空機産業に参入するメリットは、長いスパンで高付加価値技術が発揮できる点。未来を見据え、大きなチャレンジに踏み切った。

「他社のように海外に出るという手もあると思う。しかしわが社の海外進出は想像できない。創業から127年、この土地で雇用を生み、社員家族の幸せに貢献してきたことを思うと、ここで足元を固めていきたい。どれだけ量産技術が発達しても、人の手が生み出す価値を追求していきたい」という。ここまでやるのか!という感動をお客様に与えられるよう、社員たちと技術を磨いてさらに突き抜けていきたいと語る。 ※MRJ(ミツビシ・リージョナル・三菱重工業が製造、三菱航空機が設計・販売を行う国産初のジェット旅客機ジェット)



(写真左)60歳以上に限定した求人広告。最終的に100名以上の応募があった
(写真右)創業時より地域とともに成長してきた


担当コンサルタント

片山和也
片山和也
【プロフィール】
工業高校・工業大学機械工学科を卒業後、 大手専門商社の工作機械部門にてトップクラスの実績を上げる。船井総研入社後は 一貫して生産財分野のコンサルティングに従事。部品加工業・セットメー カーに代表される中小工場・町工場向けコンサルティング、機械工具商社に代表される地域密着型販売店向けコンサルティングで成果を出し続ける。通算20年以上にわたり機械業界に携わっており、技術とマーケティ ングの両面を理解する超エキスパートとして、同分野では船井総研の第一人者である。「中小企業は国内で勝ち残れ!」をポリシーとして、国内製造業の空洞化に歯止めをかけるコンサルティングを展開している。

 



株式会社加藤製作所
       
  • 株式会社加藤製作所
  • ■本社所在地:本社所在地:岐阜県中津川市駒場447-5
  • 創業:1888年 
  • 従業員数:105名
  • 資本金:2,000万円
  • 主要事業内容:家庭電気器具部品、自動
    車部品、騒音防止機器(防音壁、消音機)、
    航空機部品の製造等
  • ■URL:http://www.katog.co.jp/index.html
グレートカンパニーアワード2015 船井財団特別賞受賞

     

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