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モデル企業ルポ(グレートカンパニーレポート)

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資源/スクラップ/環境リサイクル




株式会社 大船渡資源
代表取締役 伊藤 博氏


資源リサイクルを営む同社に震災直後の混乱期には「安くてもいいから」と瓦礫の中の金属くずの引き取りをお願いする人もいた。それでもあえて相場で買い取りをした。この「地域あっての企業」という姿勢が顧客から信頼を得る。


「とりあえず2年間、頑張ってみよう。それでダメなら、ここから離れるかもしれない」。大船渡資源の伊藤社長は震災直後、津波で大きな被害を受けた大船渡沿岸部で自力での業務再開を決意する。町の存続すら危ぶまれるほどの被害に行政も混乱していた。

津波の被害を避けられる山間部へ拠点を移すことを勧められたが、惨状を目の当たりにしても土地を離れることはできなかった。この災害で瓦礫が溢れ、町で唯一のスクラップ業である自分たちが先頭に立って行動を起こし、復興を前に進めたいと考えた。


震災以降、より地域のために貢献したいという気持ちが強くなった
 

相場に左右される業界


海と山、両方の恵みに挟まれた大船渡の平地には住居や工場が集まり、その経済活動の中から生まれる鉄や非鉄金属、古紙などが同社へ持ち込まれていた。90年代初頭、鉄スクラップの相場はバブル崩壊で急降下する。

2004年頃から復調し、2008年の北京オリンピックを前に複数の要因が重なり資源バブルが訪れる。この時は3K業種とされていたにも関わらず、新規参入も出たほど業界は活気を帯びた。しかし、オリンピック終了とリーマンショックで相場は急降下。グローバル化で相場の波は激しさを増す中で、生き残るための方策を思案し始める。

2006年、古紙の受け入れ場が手狭になっていたこともあり、港近くに第2工場を建てた。この時は大船渡港国際貿易港からの輸出も念頭にあった。ところが震災で港は機能停止。復活の目処は立たず、輸出は断念することになる。しかし、震災で発生した瓦礫が次々と持ち込まれて売上は2倍になった。震災特需が落ち着き始めた頃、次の行動に移す。



(写真)古紙再生センターの様子。古紙のみで1日あたり平均で約14トン(80件)程度持ち込まれる。


ポイントで顧客、持ち込みで自社にメリット


資源は安価で買い取りできれば利幅が増えるが、法人との大口取引は同業との価格競争になる。それに比べ、一般家庭や事務所、個人商店からは安定した価格で買い取りができる。一般客から定期的に仕入れる仕組みが必要だった。

一般客からの買い取りは、車で回収に出向く、スーパーに回収ボックスを設置するという方法が考えられた。ともに車での回収は人員というコストがかかること、スーパーの設置に関してはスーパー側に主導権をとられることがネックだった。

そこで2013年11月、持ち込み客専用のポイントカードの導入に踏み切った。買い取りした上にポイントも貯まるため、顧客にメリットを感じさせる。自社にとっても回収コストを抑えられる。近寄りがたいと思われるリサイクル業の工場でありながら、ポイント好きな主婦層からも持ち込まれるようになった。今でも1日あたり80件ほど、コンスタントに持ち込まれている。


(写真)ポイントカード会員数は570名(2014年9月取材時)
ポイントが貯まるとクオカードと交換できる。


震災直後の真摯な対応によって顧客との関係が築かれたこともこの仕組みが受け入れられた要因といえる。唯一、事務員の手間が増えることが懸念だったが、始めると本人たちも面白がって前向きに取り組んでくれた。キャンペーンをすることもあるが派手に宣伝することはない。それは、売上に波をつくらないよう意識しているから。

伊藤社長は「震災以降、より地域のために貢献したいという気持ちが強くなった」という。「売上も大事だけど、地域に貢献することが第一」。外的要因に左右されない顧客との信頼関係が同社の成長の土台である。


(写真)小学校の社会科見学は2013年から復活。リサイクルの啓蒙と地域にとって必要な会社と認知してもらう。

      

 



大船渡資源
       
  • 株式会社大船渡資源
  • ■本社所在地:岩手県大船渡市盛町字みどり町21-2
  • ■創業:1963年
  • 設立:2007年
  • ■資本金:900万円
  • ■従業員数30名
  • 業務内容:鉄、非鉄金属、廃車、古紙、再生資源リサイクル
  • ■URL:http://www.ofunatoshigen-recycle.co.jp/pc/  

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