明日のグレートカンパニーを創る 株式会社 船井総合研究所

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対談集

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環境リサイクル/資源/解体

社員が生涯働ける会社に

近藤会長:うちの社員にも時々言うんです。頭で考えることは重要だけど、頭だけで考えていくとリスクだけが出てきて堂々巡りになって、結果的にやらないことになると。でも一歩前に出てみると、いろんな問題は起きるけれども、それは前に進んでいるということなんですね。

その結果、自分が成長したり、いろんな人達との交流が図れたりするんですよね。だから人間という肉体がある以上は、行動するということが凄く大事。そこに大きな答えがあるような気がするんです。

立原:まずは行動すると。それは会宝産業が業界において一歩進んでいることからもわかりますね。

もう一つ、社員に対しての話も伺いたいのですが。船井財団が主催する「グレートカンパニーアワード」にて、2014年、『勇気ある社会貢献チャレンジ賞』を受賞されましたが、社員の目線から見た会社の考え方や社長の思い、収益、給料、そういったギャップを埋めるのは、どうされているんですか?

近藤会長:やっぱり家族的な付き合いをするということが、私はとても大事な気がするんです。社員の誕生日がありますと、ケーキを皆の前で贈るんですね。それが10年続いているかな。どんどんケーキの量が増えてくるんですけどね(笑)。それと同時に、お花も贈ります。男性社員でしたら奥様に、独身の方でしたらお母さんに贈るんです。

今ではお客様の生年月日を調べてお花を贈るということをやっていたり、身内がどんどんどんどん増えています。そういう一人ひとりを気遣ってあげるというか、気にしてあげるということを、ずっと続けていますね。

立原:なるほど。ビジネスから社会的なシステムにしていこうというのは事業内容にありましたけど、社員にもビジネスだけの付き合いではなくて、家庭にも手を差し伸べるような関係性を築いているんですね。

近藤会長:そうそう、親子や兄弟関係みたいな。他人だとあんまり気にならないんですけど、身内は気になるじゃないですか。そういう関係性でいることによって、みんなやりがいを感じてくれるんじゃないかな。

今、私がやっていることは、生涯働ける会社をつくろうと。私は67歳になりましたけど、60歳を過ぎると仕事のない人もいらっしゃるんです。するとストレスがないせいもあって、だんだん老けていくんですね。逆にあんまり大きなストレスは良くないですけど、我々は仕事してると、やっぱり常に小さなストレスがあるわけですよね。それによって頭の活性化も図れるし。働こうとするから健康で元気でいられますし、働けるってことはすばらしいと思うのです。だから、いくつになっても働ける会社を作ろうと。

今は少子高齢化ですから、我々のような60を過ぎた人って戦力じゃないですか。 それから、日本では高齢者が増えて、医療費がどんどんどんどん高くなって、使われている。それは健康で元気なら要らないわけですよね。予防医学じゃないけど、自分に健康管理する力があれば病人にならないですし、医療費もかからない。かからなかった分を若い人たちに使ってあげることができれば、もっと日本の国は、私は良くなっていくんじゃないかなと思うんです。

立原:会社を通して産業を作るというビジネスモデルだけでなく、会社の「あり方」というところまで考えられているということですね。

近藤会長:儲けるためにキリのないことをやっていたって、地球っていうのは有限の星なんですよね。だったら、その循環する仕組みを作れば、いくらやったっていいと思うんですよ。でも、モノを売るばかりで後のことを考えたことがない、お金儲けがあればいいということではだめ。売った後始末もちゃんとできることで常に循環していく。

資源があるとすれば、地下資源を守る、今まで出てきた地上資源をいかに有効に使いながら循環していくかということを考えていくような社会ができれば、もっと今までと違う豊かさが生まれてくるんじゃないかなと思います。

他人に対して何ができるか?を考える

立原:経営者は皆さんかなり勉強されていますし、おのずとこうすべきというのはどっかにあると思うんです。でも、自分が生きる使命というか役割というと、なかなか気づけないことが多いのかなと思うんです。近藤社長はどういうタイミングで気づき、自分をシフトできたんでしょうか。

近藤会長:これは私のメンターから受けた死生観です。人間は生まれてきて、いつか死ぬわけですよね。ともすれば、この現実が幻かもしれないわけです。生まれてきて親から無償の愛を受けて育ち、私も子どもを授かり無償の愛をもって育ててきました。こういう一つの流れがあるわけですよね。

その流れの中で、生きている間に、ほかの人にも何ができるかと考えるようになったんです。日本の言葉にあるように、まさに利他の精神です。人のために何ができるか。その結果、自分がよくなっていると。このことは母親にも教わりましたね。

昔、たらいで洗濯している時に、たらいの中の泡を集めてみなさいと言うんです。一生懸命、自分の体のほうに泡を引こうとするわけね。ところがそれをやると、来たと思ったら全部出ていくんですね。それを見て母親は「それでは集まらないんだよ。向こうにこの泡をあげるようにしなさい」と言うわけ。そうすると、脇から自分のほうに帰ってくるんです。子どもの頃はあまり意味がわからなくても、大人になって、あーなるほど、まず人に与えることから始まって、自分のところに帰ってくるんだなと。

誰かの言葉が頭の中にいっぱい残って、必要なときに出て、行動を起こすんじゃないかな。だから学ぶということがいかに大切かってことですよね。

立原:したことが返ってくるということ、まさに循環社会を作っていく根源でもありますね。今、会宝産業という会社を通して、どうやってそこを作り上げていますか?

近藤会長:先にも申しましたように、リサイクル業で静脈産業のひとつのモデルをつくらなきゃいけないと思っています。今、73カ国で付き合いありますが、そのうち47カ国ぐらい私は歩いています。そんな国々を回っていると、日本の豊かさが見えてきます。豊かなことはいいことだけど、それゆえに足りないところが出てくるし、そこに甘えてしまう。

だけど発展途上国に行きますと、みんな明日の飯をどうしようかって生きることに必死なんです。豊かさは大事だけど、それに感謝をしつつ他人に対して何ができるかっていうことを考えれば、もっと豊かな社会ができるんじゃないかと思うんです。

立原:その豊かさを、自動車リサイクルの中で描いていらっしゃると。

  
(写真左)みずから出向いて輸出先を広げている。ケニアにて。(写真右)ナイジェリアにて。

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社員と一緒に喜ぶという社風


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近藤典彦氏 近藤典彦(こんどう・のりひこ)氏
会宝産業株式会社 代表取締役会長

設立:1969年(昭和44年)5月
所在地:石川県金沢市東蚊爪町1丁目25番地
事業内容:自動車リサイクル、中古自動車部品輸出、販売
http://kaihosangyo.jp/

※ 企業プロフィールは、受賞当時(2014.8)のものです。
立原崇雅 立原崇雅(たてはら・たかまさ)
株式会社船井総合研究所

流通・サービス業を中心に一貫して即時業績アップをテーマとしたコンサルティングに従事。年商1,500万円~1兆円以上の大手電鉄CVSや大手空港売店の活性化プロジェクトの経験を経て、オートビジネスチームに所属。自動車販売ディーラーをはじめ、自動車整備・自動車部品商、新品カー用品店、中古パーツ関連、バイク用品店に至るまで、業績アップのお手伝いをしている。特に現場調査からの、具体的な施策立案を得意にしている。「答えは現場にあり!」を信条に毎日現場へと足を運んでいる。社長の想いを軸に、最短距離で達成できる具体的な施策が経営者から好評を得ている。