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モデル企業ルポ(グレートカンパニーレポート)

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土木/環境リサイクル





秀工業株式会社
代表取締役会長 土屋 秀人氏


木造住宅の解体工事を専門とする秀工業は、99名の従業員を抱える。業界は徒弟制度のため10人前後の組織が通例である。組織化は困難といわれる業界で高いプロ意識を持った集団になり得た理由に迫る。


同社は創業当初、数寄屋造りの和風住宅建築を専門としていた。建築前の解体まで対応していたことがきっかけで、ある時、解体だけの仕事を受注し、解体は利益が出ると気づく。そこで幾つかの解体業者に接触を試みると、どこも言葉遣いが乱暴で不親切だった。しかし、これこそがビジネスチャンスだと確信し、解体業へシフトしていく。

マナーと経営感覚で個を伸ばし会社も成長

職人に言葉遣いとマナーを徹底させると評判を得て、読み通りに仕事が入った。しかし、これに満足せず、規模を大きくして「解体メーカー」としてのブランドを築くことを意識する。小さな解体業者を脱し、ブランドになれば、価格の主導権を握り、大手ハウスメーカーとの仕事もできると考えたのだ。



(写真)挨拶の徹底が象徴的。「短気は損気。はじめはできなくても何度も言い続ければできるようになる」
と土屋会長は言う


組織を大きくするために班長制度を導入した。班長には工事額の何割かを采配できる権限を持たせた。解体は工期の長さが利益を左右する。効率をコントロールできる班長が稼げる仕組みだ。稼げる班長には仕事と人が集まるので、年収1,000万円を越す班長も存在する。

土屋自身も若い頃から独立心旺盛で「稼ぎたい」「いい仕事をしたい」と考えていたから、この仕事を選ぶ人間には経営感覚を持たせるのがよいと思ったのだ。結果、個人と会社の成長を一致させることができた。



(写真) 解体現場から出る廃材を堆肥にしてリサイクルすることで循環型社会の推進にも貢献している。作業は、3~5人で班を組む。
解体棟数が給与に反映されるため、仕事があるところに手元(弟子)が集まる。

しかし、130人、年商15億円の規模に達する頃になると、稼ぎは努力の結果ではなく、もらえて当然というスタンスの職人が出てきた。土屋は「創業の時から自分たちを〝野武士の集団.と言っていたのに〝公家.が登場した。職人のサラリーマン化」と表現する。

同時期に、土屋は解体時に出る廃材をただ処分することがもったいない、そして産廃のイメージを変えたいという思いに突き動かされて、廃材を堆肥にリサイクルする独自技術を開発していた。その延長で農業に進出していたこともあり、目が行き届かなくなったことも、社員たちに隙を与えていた。


成長に合わせた組織の変化と顧客の開拓

悩んだ末に、船井総研の貴船に相談した。貴船の「ゼロからのやり直しでも成功できる」という言葉に土屋は決意する。農業から離れ、解体の現場に戻り、従業員と正面から向き合った。覚悟の上だったが変化を疎む一部の従業員が去り、苦しい時期を迎える。ところが人数は減ったものの、しばらくすると従業員の表情は明るくなり、以前よりも利益が出るようになった。


(写真) 年に1度開催する社員総会。経営理念と中長期ビジョンの共有をはかる、

従業員に尋ねると「会長はきつく叱るけど、従業員の意見に耳を傾け、謝ることもある。変わったのは会長」と土屋の変化に気づいていた。体制も変えた。土屋は全員が野武士であるべきと思っていたが、違うスタイルが合う人もいることを理解する。現在は「請負型の職人班」と「固定給の社員班」を並行させている。

これが互いに長所を刺激し合い、成果を上げてきている。そして、女性の営業を中心に新規顧客の開拓にも力を入れ始めた。これまでハウスメーカーをメイン顧客としていたが、一般客からの見積もりも積極的に受けるようにした。


(写真) 問い合わせや営業のシーンで細やかな対応ができる女性も活躍


一般客の場合、見積もりで値段を抑えられることがあるが、ここで廃材を堆肥に変える技術を持つという強みが発揮される。他社が廃材の処分にコストをかける分、利益をつくれる。これで売上の2割程度だった一般客比率も3割まで増えてきている。

土屋には「業界のイメージを良くし、リサイクルで社会に貢献したい」という思いが根底にある。これらの実現を加速するために秀工業は「解体メーカー」として日本一を目指している。



(写真左)地元に看板を多数設置。これまでの取引先以外の一般客からの問い
合わせが増えている

(写真右)廃材からできた堆肥を使って栽培した人参を使ったジュース。
地元で好評、会社のイメージアップにもつながった


       

 



秀工業株式会社
       
  • 秀工業株式会社
  • ■創業:1976年
  • ■代表者:土屋 秀人 (つちや・ひでと)
  • ■資本金:2千万円
  • ■所在地:千葉県成田市所1245-2
  • 業務内容:建物解体業・産業廃棄物処理業・土木事業・舗装工事業
  • 企業HP:http://www.hide-kk.co.jp/
     

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