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対談集

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部品加工業



日本トップの成長率(※) MonotaROの挑戦!
※日経ビジネス2016年1月11日号「成長率ランキング100」

聞き手:FUNAIメンバーズ事務局 編集部
ファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会 機械工具商社経営部会
主宰 片山 和也

編集部:インターネットの販売サイトを始め、物流など、すべて内製化されているということに、とても驚きました。

鈴木社長:創業当初から、システムや物流に関して、ほぼ内製しています。
正社員が国内で240~250名います。役割でいうと、大きな組織では商品仕入れ部門と、約1,000万点という商品情報を追加・改良していく役割の商品部門に、60~70名ずついます。それとITエンジニア部門、年間20冊のカタログを発刊している制作部門があります。
もちろんまったくアウトソースがないわけではなくて、例えば会計システム。これは世の中のルールに則ったシステムをパッケージとして使えばいいと思うんです。ただ、独自性を出す必要がある、競合なり世の中において価値を創出するポイントだと思うところは、やっぱり自分たちで作り上げることによって価値が発揮できると思います。いろいろな学びを見つけることで機能は進化しますし、コストは抑えられるという信念はあります。

編集部:むしろ内製化することでコストが抑えられ、独自固有の価値の最大化ができるメリットがあったのですね。

鈴木社長: 一般的にはアウトソースした方がコストは下がるという話もあるけど、それは全般の領域においてではないと思います。物流もITも、いかに自分たちのオリジナルの方法でコストを下げるかだけでなく、よい生産性、よりよい機能を発揮するためには、絶対に自分たちでやらなきゃいけないと思うんですよね。

片山:そういう中では、先ほどお話にあった紙のカタログですが、紙はコストが掛かるから減らそうという声が多くなる中でも力を入れている理由は何でしょうか?


副資材、間接資材の調達に中小零細企業から熱い支持

鈴木社長:紙のカタログの一番のメリットは、新商品を認識いただくことと、他商品との比較だと思います。必要な商品が具体的に決まっていない段階でお客様がカタログを見たときに、今はこのメーカーを使っているけど、こんな商品もあるのかとか。例えばモノタロウのPB商品やオリジナルブランドを使うと値段がこう違うとか、こんな機能があるということを理解いただくためには、今のところまだインターネットよりも効果があると思っているので、紙は必要だと思いますね。

片山:御社のカタログを見ていると楽しいですもんね(笑)パラパラ見るだけでも読み物みたいな感じで。

鈴木社長:ありがとうございます。とはいえ、ほとんどお客様の初めての接点はインターネットです。いろいろ検索いただいて、モノタロウを知る。全部トータルに総合的に考えて、これでいいや、注文しようと判断ができて、初めて取引がスタートする。その時点でお客様の業種は入力いただきますし、また、お客様がその商品を購入するまでの間にどんなページと商品を見られたのか、そのデータをもとに過去の似たようなお客様と比較して、今回はこれを購入されたけれども、実際はこの商品も使っているはずだから、この商品のカタログも送っておこう。そういうことはしているんです。ここは営業活動といえるかもしれません。

片山:なるほど。

鈴木社長:先ほどの話に戻ると、営業マンによるセールスに近いところはシステムで代替していると言えますね。4名以下の会社を訪問することが割に合わないと言っていた世界が、インターネットを通して新たな市場に変わる。人が一番得意としているところが機械学習によって可能になるという意味では、そのツールであるカタログは重要な媒体だと思います。

社員とのアナログなコミュニケーション

編集部:世の中やニーズが変わっていき、新しいことにもチャレンジされる中で、社員のスピード感というところも大事になってくると思います。何か取り組んでいることはありますか?

鈴木社長:はい。新卒社員も受け入れられるようになってきて、今30~40名くらいいます。つまり、この4年で社員数が倍になったわけです。ここで一つ大きな課題となるのは、皆が一生懸命に働いた結果が、いかに会社の方向性や、新たなサービス、価値のあるものにつながっていくのかを明確にできるかどうか。組織のあり方や仕事への取り組み方、結果につながるような働き方をしていけるように注力しているところですね。

編集部:具体的にはどのように?

鈴木社長:グループでも個人でも、それぞれの領域の中で、まずはどんなコミュニケーションをとるかが重要ですよね。単に作業するだけとか、社長が言っているからやるのではなくて、何を目指していて、どんなゴールを描いているかを、皆が理解できるように説明することは重要だと思います。
世の中の動き、サイクルが加速する中で、ただ変化に対応するだけでは、自分たちのアイデンティティーはなくなってしまうと思います。行く先の変化が速かったとしても、少なくとも自分たちの方向性や指している姿は理解しないと、絶対にうまくいきません。一生懸命走っているけど、どこにたどり着くのかわからない、そういった危うい速さは違うと思います。

編集部:それを何かのタイミングでお伝えしているのでしょうか?

鈴木社長:月に一回、全社員が集まって話すタウンミーティングという場があります。あとは私自身、全社員とワン・オン・ワン、一対一の個人面談を年に二回しています。また、リーダーは各メンバースタッフと、週に一度、ワン・オン・ワンコミュニケーションをしています。

片山:これだけの人数で年二回の個人面談とは、相当大変ですね。

鈴木社長:一人当たり約15分です。朝から晩まで一生懸命やっても30人くらいしかできないので、8営業日くらいかかります。

編集部:それだけの時間をかけてでも、大きな方向性を示していくべきだと。

鈴木社長:そうですし、逆もそうだと思うんです。私だけでなく、各リーダーは声を吸い上げなきゃいけない。聞かなきゃいけない。社員には言ってもらわなくてはいけないんです。実際にやってみたら、こんな気づきがありました、発見がありました、もっとこうしたほうがいいですよ、そういう声をちゃんと聞いて、それを皆で共有して、ならばこうしようという積み重ねが、先ほどお話しした試行錯誤につながると思うので。

編集部:意外にアナログなところにあったんだなというのが…

鈴木社長:そうですね。創業当初から会長の瀬戸も言っていることですが、社員に一番求めることは、お互いに敬意を払うということなんです。会社の中にはいろいろな仕事があって、それがどんな持ち場であっても、お互いの仕事や存在に敬意を払う。そうすることで、会社にとって最適な判断というのは何であるのか、今のグループ、チームにとって、今掲げている目標のために必要な判断とは何であるのかということを、全社員が考えてもらえるようになれれば、それは本当に強い力を発揮するのではないかと思います。

片山:鈴木社長のおっしゃることは、とても合理的だと思います。私もコンサルティングをする中で、例えば従業員30名40名といった中小企業でも、社長が全社員と面談されている会社って、実はものすごく少数派です。やはり時間もかかりますし、面談はする側もされる側も大変ですからね。

鈴木社長:ええ。ただやはり、働いていて幸せを感じるか、自分の仕事ぶりがちゃんとその会社の中で評価されているか、これはもちろん金銭的な報酬のこともありますけど、会社という社会の中に存在するにあたって自分が満足感を得られるのかどうかはモチベーションにつながると思います。ですから面談は社長として優先順位ではかなり高いほうにあります。いろいろな仕事があってもやり続けるべきことと思っています。

編集部:やはり、起点は人だったということですね。

鈴木社長:はい。やっぱり結果を出すのは人ですし、チームですね。トップセールスマンがいて数字を上げていくという組織ではありませんので、そういう意味では営業を持たない組織としてチームはすごく重要なポイントです。会社は長続きしなくてはいけないし、長く続くことで、より安心できる会社、働く社会の場として存続し続けるべきなので、そこはすごく重要だと思います。

編集部:ありがとうございます。では最後に、今後の目標や夢を教えてください。

鈴木社長:一番は、より多くの人が仕事や社会、世界に対して満足できるようなきっかけが与えられるような会社でありたいし、個人でありたいというふうに思っています。そのためには会社が長続きしなくてはいけないですし、どうすればお客様に長く支持いただけるかを常に考えていきたいです。そして、社員の皆さんには長くこの会社で働いていただかないといけないですし、そのためには会社として成長を、個人として成長して考え続けなければいけないだろうなと思っています。

編集部・片山:ありがとうございます。今日は貴重なお話をありがとうございました。


取扱い商品数950万点を超える販売サイト

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鈴木雅哉氏 鈴木雅哉(すずき・まさや)氏
株式会社MonotaRO 代表執行役社長

本社所在地:兵庫県尼崎市竹谷町2-183 リベル3F
設立:2000年10月
資本金:19億745万円(2015年12月31日現在)
従業員数:240名
事業内容:事業者向け工場用間接資材の販売
http://www.monotaro.com/

片山和也 片山和也(かたやま・かずや)
株式会社船井総合研究所

船井総研入社後は一貫して生産財分野のコンサルティングに従事、成果を出し続ける。通算20年 以上にわたり機械業界に携わっており、技術とマーケティングの両面を理解する超エキスパートとして、同分野では船井総研の第一人者である。「中小企業は国内で勝ち残れ!」をポリシーとして、国内製造業の空洞化に歯止めをかけるコンサルティングを展開している。機械工具商社経営研究会・部品加工業経営研究会を主催。主な著書に『技術のある会社がなぜか儲からない本当の理由』(中経出版)他 経済産業省登録 中小企業診断士。「ファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会」「ファクトリービジネス研究会 機械工具商社経営部会」を主宰。