明日のグレートカンパニーを創る 株式会社 船井総合研究所

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対談集

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環境リサイクル/資源/解体

社員と一緒に喜ぶという社風

近藤会長:リサイクル業で静脈産業のひとつのモデルをつくることが課題です。まずできることとしては、社員教育をしっかりするということ。特に大事なことは5Sです。整理整頓清潔清掃しつけ。私はしつけには、ちょっとうるさいです。

それから、発展途上国のこともお話しましたが、日本がこれだけ豊かになった過程には、ひどい公害問題も起こした。それが今、現実に途上国の中にはあるわけです。そういった日本が失敗したことを教えてあげて、そして新しいことを取り入れていく、いらなくなったことをちゃんと処理する。この2つの方法を教えてあげることが必要かなと思うんです。

これはある意味で社員にしつけをするのと似ていて、しつけという言葉が正しいかはわかりませんが、そういうことをお伝えすることかなと思っています。

立原:確かに、会社にお伺いした時の挨拶はピカ一ですね。

近藤会長:ありがとうございます。

立原:必ず全員立ってくださいますし、ほぼ揃っていますよね。している作業は皆さん違うのに、立って挨拶すると。工場の方も一緒ですよね。

近藤会長:私も凄いなと思うのは、例えばフォークリフトに乗っていても、フォークリフトを止めて、そこから降りて目を見て挨拶してくれるんですよ。私が見ていても感動するんです。

立原:やらされてる感がないですよね。あの浸透度は本当に不思議です。そして工場はむちゃくちゃ綺麗ですよね。あれも社長の提案で?

近藤会長:やっぱりきれいにしようと、挨拶日本一になろうと、世界一キレイな工場を作ろうと。あとは自律と協調なんです。我々の仕事は汚いってイメージがあるわけですね。汚いものを扱うからこそキレイな工場を作ろうと思った。そしてキレイな工場を作ると、荷物を置くにしても、斜め置きしないようになるとかね。そういうことができるようになると、事故率も必然と少なくなると。

うちはあんまり事故っていうのはないんですが、そういう意味においてしつけができていると、身の安全性も考えられるようになる。そうすると働いても楽しくなってくる。そして、きちっとやっているから、お客様にほめられる。ほめられたことは次の日の朝礼で全員に話すわけです。これは「いいね!」報告です。ほめられて嬉しいことを社員に伝えることで、うれしいことの共有化をするわけです。

  
業界イメージをくつがえすピカピカの工場に中古自動車部品が並ぶ。

立原:いいコミュニケーションになりますね。プラスの。

近藤会長:そうなんです。ひと言で情報共有化っていっても、じゃあどうするかといったときに、皆で一緒に喜びましょうという社風をつくってきました。そういうことが今の会社の雰囲気になっているのかなと思いますね。

自分には何ができるか?

立原:そうすると、静脈産業のモデルになるというお話も、会社もモデルになるっていうところとリンクしていると。

近藤会長:そうですね。まず世界一のモデル工場を作るということは、モデルがだらしなかったらダメなわけですよね。ですから自分のやっている仕事に対する誇りを持つということなんです。そのことを、みんなが気づき始めたら、会社というのはすごく強くなるんじゃないかなと思います。

立原:なるほど。まずは自社からですね。外向きの発信もしながらも、内のところから作っているということですね。

近藤会長:そう。自分たちができないのに、社会貢献できるわけないですよ。だから自らが社内で作り上げ、それをモデルにして社会に出していけば、それを真似する人たちは豊かになっていくわけですから、それが本当の意味での社会貢献かなと思います。

立原:以前、上京された時に入った車屋さんで、自分にできることから人に尽くせということを学んだとおっしゃっていました。その当時はいかがでしたか?

近藤会長:私は理不尽な目にいっぱいあいまして、それが反面教師として自分にとってはよかったんですね。当時、四畳半二間に生活していて、私も一緒に住み込んでいました。その社長も私が初めての社員でしたので、何をやっていいかわからないんですよね。私も何をやっていいか分からない。だから毎朝起きて、私は靴を磨いたんです。やることないから。

次に青空駐車場にあった車を水洗いをした。そんなことだったら私はできるじゃないですか。それから会社に行って事務所の掃除をした。次はトイレ掃除。自分は仕事はできないけども、考えてみたらやることっていっぱいあるんです。仕事がないからって突っ立っているということはないわけですよ。

だから私は社員にも、仕事がないなと思ったら掃除することを考えようと。だからうちの社員は仕事が終わったら竹箒を持ってきて、後始末の掃除をしますね。何もできなかったから、何ができるかを考えたんです。

立原:シンプルですね。

近藤会長:シンプルイズベストです。

三現主義

立原:会宝産業では会社を通して何ができるかということを、掃除ひとつにしても、社員も考えて行動に移していると。

近藤会長:私は小さいものがいくつか固まってつながる方が強いのではないかと思うんです。だから小さい会社がいっぱいできてくるといいなと思います。そして自律と協調ですね。自律は大人ということです。大人は人が困っているところに応援にいける。だから自分がいいと思うことを皆にしてあげればいいんですよ。理屈じゃなく、自分はどうしてあげたいのかを考えること。

たとえ一人でも初めていけば、世の中変わる可能性がある。ヨイショするわけじゃないけど、やっぱり船井さんとお付き合いしながら色んなことを学ばせてもらった。何もわからない22歳の時に会社を始めたけど、船井さんの勉強会に行って、セミナーに出てね、色んなことを学ばせていただいて、少しずつ少しずつ力がついてきたというか、そういうことだと思うんですね。

立原:一歩の行動の大切さということですね。

近藤会長:そうです。だから旅費がもったいないと出てこない人は、そのチャンスにめぐり合わないわけでしょ。旅費がもったいないと地元を出ずにいたら、インターネットで探したとしても、本当の生の情報は入ってこないです。

立原:基本は一次情報ですからね。現地に行く、自分で廃車になっている車を見るというのも、すべて一次情報から。

近藤会長:だから現場・現物・現実主義。三現主義です。私が47カ国の海外に行くのもそれです。お腹を壊すこともいっぱいありますよ。本当に死ぬなと思うこともあるわけ。でも、それは私の身をもって知る生の情報じゃないですか。だからうちの社員にもやりたいことをやらせて、行きたいところへもどんどん行かせる。

昨年入社した女性社員がいるんですが、会宝産業のホームページを見て、自分がやれることがあるといって九州から来てくれた。彼女に何をしたいの?と聞いたら、アフリカのガーナで仕事をしたいと。いいよ、やろうと。実際に今、JICA(国際協力機構)のほうに研修に行っています。やりたいという強い思いを持った人にやらせてあげると、貪欲に取り組んでいきます。無理に上からあれこれ言ってもダメで、やりたいことを進んでやるから身につくんですよね。

立原:それこそシンプルですよね。

近藤会長:本当シンプル。難しくないですよ。 自分の仕事を通して社会貢献できることがいっぱいあると思うんです。実際は、今までお金儲けのためだけにやっていた。ところが社会貢献をしていくうちに、結果としてお金儲けができている。だからうちの社員には、“儲ける”じゃなくて“儲かる”会社を作ろうって言うんです。お客様が、会宝産業なら儲けてもいいよっていう、儲けさせてくれるビジネスに変えていこうと。そして、その儲かったお金でもって、また社会貢献をしていこう。そういう考え方になれば、世の中は180度、変わる可能性があるよね。


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お客様や地元への感謝祭「リサイくるまつり」


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近藤典彦氏 近藤典彦(こんどう・のりひこ)氏
会宝産業株式会社 代表取締役会長

設立:1969年(昭和44年)5月
所在地:石川県金沢市東蚊爪町1丁目25番地
事業内容:自動車リサイクル、中古自動車部品輸出、販売
http://kaihosangyo.jp/

※ 企業プロフィールは、受賞当時(2014.8)のものです。
立原崇雅 立原崇雅(たてはら・たかまさ)
株式会社船井総合研究所

流通・サービス業を中心に一貫して即時業績アップをテーマとしたコンサルティングに従事。年商1,500万円~1兆円以上の大手電鉄CVSや大手空港売店の活性化プロジェクトの経験を経て、オートビジネスチームに所属。自動車販売ディーラーをはじめ、自動車整備・自動車部品商、新品カー用品店、中古パーツ関連、バイク用品店に至るまで、業績アップのお手伝いをしている。特に現場調査からの、具体的な施策立案を得意にしている。「答えは現場にあり!」を信条に毎日現場へと足を運んでいる。社長の想いを軸に、最短距離で達成できる具体的な施策が経営者から好評を得ている。