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成功事例

~株式会社花駒~まるで地域ぐるみの活性化!口コミで会員・提携店を倍増させた葬儀社の“地域密着型”会員制度
2015.06.26

 

 

光田 卓司

光田 卓司

2015.06.26

サクセスサマリー

会員数約1,500名、提携店は80店舗に。提携店から応援され、地域住民である会員に喜ばれるつながりを生む


■ 船井総合研究所との関わり

【ビフォア】

人口3万7千人の精華町で、ごく一般的な生前会員制度を導入。割引訴求のサービスで、650人程度の会員数

【アクション】

地域の提携店営業、管理を専任スタッフひとりで行う。定期刊行物や提携店主催イベントなどで、会員の利用メリットを提供

【アフター】

会員数約1,500名、提携店は80店舗に。提携店から応援され、地域住民である会員に喜ばれるつながりを生む

株式会社 花駒

株式会社 花駒
代表取締役社長  上野 雄一郎 氏
イマージュ倶楽部 専任スタッフ  中尾 理恵 さん


地域のお店との連携による会員制度は、地元の消費者にとって利用価値が高く、口コミが口コミを呼び、会員数を伸ばしている。一方で地域産業の活性化に貢献し、未来の街づくりを担う。行政も注目するほどの、葬祭業を中心とした地域密着サービスとは。


日本の人口減少は、私も大きな問題として危惧しています。この辺りも例外ではなく、少し行くと限界集落も存在しています。なぜ人口が減るのかといえば、産業が成り立っていないからだと考えています。わが町の精華町は、ベッドタウンのために人口が増えていますが、消費の中心は周辺の奈良市、京田辺市、大阪といった都市圏に流れ、空洞化しています。長いスパンでみると地元のお店は衰退し、町に元気がなくなってしまうことが目に見えています。

わが社も地域に根付いて、文化としてお葬式を施行し続けたいという強い思いがあります。葬儀のマイナスイメージを払拭するだけでなく、地域の人たちに「花駒があるからここに住んで幸せ」と感じてもらいたいのです。2012年、船井総研の葬祭業セミナーに参加した際、大阪の会社が「生前会員制度」の取り組みを紹介されていました。わが社でも650名程度の会員数で運営しており、葬儀の割引が主なサービスでしたが、大きく異なるのは、地域の商店を提携店として契約し、日頃から会員特典を享受してもらう仕組みでした。地域を活性化させたいという思いとも合致し、さっそく取り入れることにしました。
都心型モデルはデジタル・WEB中心の展開ですが、わが社の「イマージュ倶楽部」は地域密着を意識したアナログ・紙媒体中心の運営にアレンジしました。



会員イベントの一貫で葬儀に関する知識や体験ができ、葬儀になじめる
(写真左上)上野社長による雑学講座「戒名について」
(写真中央上)入棺体験
(写真右上)行政とのコラボが実現している「いのちのリレープロジェクト」。町内の全小中学校生徒に配布されるチラシ
(写真左下)イベントでのたこせん販売
(写真中央下)たこせんの売上で介護用電動ベッドを寄贈
(写真右下)終活フェアでのセニアカー試乗


葬儀社発信の地域会員制度

提携店契約はゼロからのスタートでした。加盟条件はなく、会員証を提示された際に特典を与えるのみです。「理解できん!損するやろう!」と難色を示していたパン屋さんも、会員が続々と来店されるうちに、私たちの考えを理解してくれるようになりました。今では営業に加え、口コミでお店を紹介してくれるまでになり、加盟店は2年で80店舗になりました。




(写真左・左中央)提携店舗には、目印となる青いステッカーが貼られている。
(写真右中央)提携店情報を掲載した携帯パンフレット、季刊発行のニュースレターなど「紙媒体」を重視
(写真右)いつも持ち歩いて利用してもらうように工夫されたパンフレット


会員数は主に口コミで1,500名になりました。年会費無料、入会金は3,000円ですが、提携店のみで使える3,500円分の金券が入会特典です。おトクなインパクトもあり、販促は地域のフリーペーパーと年2回のチラシのみで済んでいます。1回のフリーペーパー投稿で15万円、その反応による入会は20名超、1会員の獲得コストは7,500円を下回っています。船井総研の試算によると、会員獲得コストは約4万円/会員だそうですから、かなりの低コストです。

会員特典は、提携店での特典だけでなく、季刊発行のニュースレターや3ヵ月に一度のイベントなど、定期的に発信していくことで、会員と提携店とわが社とを結びつけています。当社も、提携店同様にセミナーや情報を織り交ぜることで、自然に葬儀になじんでもらっています。



(写真右)パン屋さんによるパン教室や陶芸教室など提携店による3ヵ月に一度のイベントは盛況

こころひとつになれる地域づくり

会員制度が頓挫せず軌道に乗っている要因は、本業である葬儀の片手間で運営するのでなく、専任スタッフに任せていること、そして、葬儀部門がよい施行に努めてくれたおかげで、より加速したと考えています。葬儀の売上については、2億4,000万円から2年間で3億4,000万円まで伸びました。

わが社の葬儀は、相談に来られるご家族の覚悟を汲み、不安を聞き、願いをかなえることを第一に取り組んでいます。会員制度のおかげでより親身になれました。提携店は「ええことしてるなあ」とおっしゃりファンになってくれますし、お客様にも応援されます。ご縁が親から子へ、孫へと受け継がれ、わが社を中心としてこころひとつになれる元気な地域をつくっていきたいと考えています。




(写真)大型ショッピングモールにテナント出店しているサロンは、カフェを併設。
本格コーヒーはもちろん、提携店イベントの開催や葬儀に関する相談もできる


光田卓司の視点

岩邊久幸

提携店制度は地域会員、提携店、花駒の「三方良し」のマーケティングです。会員様に楽しんでもらい、提携店に儲かってもらう。花駒は直接的な利益はないものの、地域のお店・会員様が同社のファンとなり、紹介で順調に業績を上げ続けているのです。会員獲得にほとんど費用をかけず売上が伸びるのは業界でも稀です。現在は、町や教育委員会、新聞社などの後援を受けた「孤独死0・自殺者0の街づくり」プロジェクトで、街づくりにチャレンジしています。事業ミッションを明確にすることはファン客作りの肝となります。


【フューネラルビジネスチームは…】
葬祭業に専門特化し、「地縁型葬儀社作り」を軸に、新規出店や財務改善、事前相談、WEB、採用・教育など多岐にわたる経営支援をワンストップで展開している。葬儀業界に特化した情報サイト「葬儀経営.com」がリニューアルオープン!葬儀、仏壇、墓石などの情報を日々更新。コラムや実例レポートなどコンテンツも充実。




株式会社花駒

株式会社花駒 

京都府相楽郡精華町植田寺東5-2
【創業】1964年 【設立】1998年
【事業内容】 葬祭施工・生花販売小売・一般貨物運送業(霊柩)