【Webセミナー】コロナ融資に頼らず無担保無保証借入実現
皆様、こんにちは。船井総合研究所の鈴木浩史と申します。
本日は、Webセミナーにご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
このセミナーでは、われわれのご支援先である富士酸素工業様が、コロナ融資に頼らずに大型の資金調達を実践された借入手法について解説をさせていただきます。
やはりコロナ禍で金融機関の新規出店や新規投資に対する姿勢というものは、非常に後ろ向きであるとわれわれ日々ご支援の中で感じておりますが、そのような姿勢の中でも無担保無保証を実現できたという好事例がありますので、どのようにこの時流の中、無担保無保証で大型の設備投資ができたのかという点をぜひ学んでいただければと思います。
【第一講座】コロナ禍でも攻めの投資を続けるため絶対押さえるべき金融時流
第一講座では、「コロナ禍でも攻めの投資を続けるため絶対押さえるべき金融時流」というテーマで、私からお話をさせていただきます。
本講座で伝えたいポイント
ここで、本講座で学んでいただきたい三つをお話させていただきます。
まず一つ目が金融機関の最新時流、そして二つ目が2021年の融資姿勢、そして三つ目がコロナ禍で成長を続けられる企業のポイントというこの三つについてお話をさせていただきますので、ぜひこれらを押さえていただきたいです。
本講座で伝えたいポイント―①金融機関の最新時流
まず、最新の金融時流という点で、融資をしてもらう金融機関の今の時流や最新の情報を知っておくということが非常に重要になります。
皆様、日経新聞等で金融機関の時流というものをしっかり見ていますでしょうか。
実は、これを知っているのと知らないでは、資金調達の相談をするときに、こちらの出方が変わるということがありますので、ぜひこちら押さえていただきたいです。
①金融機関の最新時流
金融時流に関しましては、コロナが起きてから非常に大きな動きがあると感じておりまして、地銀の再編や、今の金融機関の収益構造、そして多角化経営というところが大きなトピックスになります。
まず、一番大きなものでいきますと、地方銀行の2020年の9月期半期決算が、11月と12月ででそろっていますが、これを見ていきますと、約6割の地銀が減益または赤字で、これまでも非常に厳しい環境下で金融機関は経営をしておりましたが、さらに厳しい状況になっているというのがこの決算から読み取れるかと思います。
特徴的なのが、預金と貸出金いわゆる本業に関しては増加をしているのにも関わらず、貸出金利息が減少、与信コストといわれるものに関しては不良債権の処理費用が増加しています。
そして、役務収益である保険や投資信託の販売手数料というものが減少しており、6割の銀行で減収赤字が起きています。
①金融機関の最新時流―地方銀行の2020年9月半期決算
大きな要因としては、与信コストの増加になっていますが、実は、当初計上されるだろうと見越していたものが、コロナ制度融資により、資金繰りの緩和を国として行っているため、倒産企業が予測より少なく、与信コストが当初よりかかっていないにも関わらず、この現状になっています。
恐らく、どの企業もコロナ融資を受けて2021年で1年が経ちますので、元金の返済が始まってくるということで、資金繰りが厳しくなり倒産する企業が増えるのではないかと予想されますので、金融機関の収益環境はより厳しくなっていくとことが予測されます。
コロナ禍で貸出金も預金も増えた金融機関は、状況も良いのだろうということでなくて、逆に非常に悪くなっているのだという認識をしていただきたいと思います。
①金融機関の最新時流―金融機関の現状
現状でいきますと、そもそもの超低金利競争によって、本業自体も赤字でした。そして、それを補うために保険や投資信託といった手数料ビジネスをやっていたものの、こちらもこういう状況下ですので非常に伸び悩んでいます。
コロナ融資によって、貸し出しは増えてますが利益自体は減少、そして、今後貸出先の倒産や財務状況がどんどん悪化をしていき収益構造がさらに悪くなっていくというのが今の金融機関の現状になります。
①金融機関の最新時流―金融機関を取り巻く環境の変化
これに対して、金融機関を存続させるために新たなビジネスモデルを構築していこうということで、金融庁が、期待する地域機関の金融像ということで求めているものが大きく分けて四つあります。アドバイス機能、そして、共通価値の創造、フィービジネス、オリジナルのビジネスモデルということです。
まず、アドバイス機能というものが、コンサル業です。金融機関が本来やるべきコンサル業をしっかりやっていこう、そして、そういったコンサルからフィーをしっかり取っていこうというフィービジネス、これらを掛け合わせてオリジナルビジネスモデルを構築していこうというのが、今の金融庁が求めるものです。
これに応じて、規制ビジネスである金融機関に於いても金融緩和が来年2021年になされるのではないかということで、今動きがあります。
簡単に言うと、新たなビジネスモデル構築のために多角化経営をして良いという規制緩和や、地域商社の設立やコンサルティングの子会社化をしていくことや、ホールディングス経営をして、しっかりと収益が残るような構造に変えていくということで、本業の貸し出しやそれに応じた金融商品の販売だけではなく、その周辺ビジネスの手を広げていくというのが今の動きです。
そしてもう一つは、地方銀行の再編です。菅総理が就任してから、地方銀行は数が多すぎるのではないかということで、合併や経営統合をしていこうという意思表明をしていることで、日銀も地域金融強化でいわゆる合併統合、経営統合のための資金援助を始め、2021年以降さらに大きな変化を金融機関はせざるを得ないという状況にあるということです。
①金融機関の最新時流―今後の金融機関の動き
ただ、このようなフィービジネスであるコンサルや地域商社といったものは、これまで本業でやってなかったところになりますので、目先の収益を上げていかなければならないというのが金融機関の今の心情になります。
では、どうすればいいのかと言いますと、近視眼的には、一番コストとして多くなっている与信コストを下げる必要がありますので、これを下げるために貸し出し企業の審査を強化していくということです。
コロナ前は、金融検査マニュアル等が廃止になった関係で、決算書に依存しない融資をしようと動いていました。
金融機関は決算書に依存をなるべくしないような融資の強化をしていたというところで貸し出しを伸ばしていましたが、倒産をするしないの判断をするのは、やはり決算書が第一になりますので、時代に逆行はしますが、今後は貸し出し企業の強化を厳格にしていくという動きが見られるということになります。
そして、手数料の収入強化です。
投資信託や保険の販売が伸び悩む中では、今既存である融資商品の中で手数料取っていくという形、例えばコミットメントラインや私募債、コベナンツ融資といわれる手数料が発生する融資を積極的に推進していくという動きになっていきます。
実際、私のご支援先の中では、不動産会社ですが、通常の収益物件の融資を今までこれまで通りでやっておりましたが、急にコベナンツをつけてくれということになりました。いわゆる融資条項のことです。
例えば、営業利益が2期連続赤字になったら、金利を少し上げるといった融資条項をつけて融資をする手法になるものが、特にその会社の財務状況が悪くなった等々ではなく、銀行の方針としてコベナンツ融資をつけて融資手数料を取るということがあったり、実際に各金融機関でこのような動きがみられています。
逆に言うと、金融機関では今このような動きがあるということで、手数料を上げるからうちに良い融資条件を持ってきて、等々の逆提案ができるということになりますので、こういった金融時流を知っていただくことの重要性を皆様にはご理解いただきたいです。
本講座で伝えたいポイント―②2021年の融資姿勢はこう変わる!
では、この金融時流を持って、今後どのような融資姿勢に変わるのかという点をお話しさせていただきます。
②2021年の融資姿勢はこう変わる!―融資姿勢の変遷
今後、将来的な融資姿勢を見る前に、少し過去をさかのぼっていきますと、融資姿勢が厳しかったときはリーマンショックのときです。
この2008年のリーマンショック時に、貸し渋りや貸し剥がしがありました。こちらが、日本銀行の短観で、貸出態度の判断DIという中小・中堅企業が金融機関の貸出姿勢をどう感じているかといったものを3カ月ごとに取った指標になります。
マイナスに振れてるとこがより厳しい、堅いというところと、プラスに伸びてるところが金融機関の融資姿勢が緩くなっている点から、リーマンショック以降なだらかに右肩上がりに上がってきてるのが見てとれると思います。
実際に、この右肩上がりになってるときに何が起きていたかと言いますと、金融検査マニュアルの廃止やそういった周辺の金融時流が変わってきた点が大きな要因になります。
例えば、2013年の12月に経営者保証のガイドラインというものが新しくでき、経営者保証を必ずしもつけなくて良くなり、法人と個人の分離化がなされていること、とか財務状況が一定の体力を持っていること、という条件をクリアできていれば経営者保証は必ずしも必要がないことが2013年の12月に新しく提唱されました。
そして、2015年の1月には短期継続融資の推進ということで、これまで長期の運転資金等でお金を融資していた金融機関が運転資金に見合う部分は、短期資金で回していこうといったかたちで大きく方向転換したのが2015年でした。
さらに、事業性評価の明示ということで、決算書の数値に依存せず、会社の事業性を見て融資しようといったかたちで2015年の9月に明示をされ、決算書に依存しない融資姿勢というものが新しく出てきました。
そして一番大きなものでいうと、正式廃止になったのが12月になりますが、2019年3月に金融検査マニュアルの廃止ということで、これまで金融機関の教科書的なものであった金融検査マニュアルが廃止となり、ある程度金融機関に貸し出しの裁量の自由化が与えられたというのが、ここ最近の話になってきます。
このように金融機関としての貸し出し姿勢が非常に緩くなり、逆に言い換えれば、企業の皆様にとっては非常に借りやすい状況ができてきていたということになります。
このように、経営保証の弾力化や事業性評価により、徐々に借り手側が優位な金融環境に変化をしてきたということです。
青い部分で示してるところが定量評価、いわゆる決算数値を重視している割合、そして定性評価は事業性評価を重視しているということで、2013年12月から徐々に事業性評価を重視する割合が増えてきました。
定量8、定性2といったかたちで、徐々に事業性評価が重視されてきた時代になってきたのがわかると思います。
②2021年の融資姿勢はこう変わる!―ポストコロナでは金融機関の対応 は2極化が進む
では、このポストコロナでは、どう変わっていくのかお話しいたします・・・