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リサイクルビジネスコラム


初めて売るお客様を買ってくれるお客様に育てる



リサイクル業界の昨年1年を振り返ると不景気への突入から「リサイクルショップブーム」という現象がありました。昨年の年明けからテレビなどのマスコミでリサイクルショップを取り上げる企画が多数あり、「不景気に強いリサイクル」という印象が高まったと思います。しかし、現実には売上が伸び悩んだお店も多かったようです。リサイクルブームに乗れたお店と乗れなかったお店の違いはなんだったのでしょうか?

マスコミへの露出が時流にのるポイント

日本経済は金融危機から景気減退の中にあります。勤労者所得は前年の10%以上の減少。さらに可処分所得の減少から「モノが売れない」時代になったといわれます。百貨店や量販店の月次販売速報を見ても前年の10%以上減と惨憺たるものです。この不景気で注目されているのが、リサイクルショップです。「不景気に強い」中古ビジネスでも好調企業と不調企業の差が出たようです。前年の数%~2ケタの売上の伸びを記録したところもある反面、大半の企業は前年数%減~10%以上の売上減少に悩んでいるのが現実です。
では、好調企業は何が良かったのでしょうか。総合リサイクルで好調だったのが「トレジャーファクトリー」です。2009年3~8月の半期決算の数字は既存店ベースで前年の101.7%の好決算。期中に新規店を2店舗も出しており、全店売上125.2%と売上を伸ばしています。トレジャーといえば関東圏の総合リサイクルショップとして有名。特に昨年の年初はテレビ局の取材が殺到し、ほぼ毎日マスコミに露出していました。消費者の節約意識が高まる中「リサイクルショップ」を初めて使う人が増えました。こうしたファーストユーザーは安心感のあるお店に来店します。「知名度と安心感」を両方備えたお店がファーストユーザーの気持ちをガッチリとつかんでいます。
低価格の古着店もテレビ放映された当日から来店が集中。当日の売上が100万円を越えたといいます。お付き合い先でもマスコミに取り上げられたお店の来店数は伸びています。うまくマスコミの「リサイクル特集」に取り上げてもらうことも時流にのるポイントです。

ファーストユーザーをつかまえよう

「今までリサイクルを使ったことがない」人たちは、リサイクルでモノを買うよりも“売り”に来る人が多いようです。実際買取アンケートを見ると“初めて”売る人の割合が昨年と比べて数%増えています。中古品を利用したことのない人は「人の使ったモノを買う」のには抵抗がありますが、自分のモノを売るのにはあまり抵抗を感じません。リサイクルを利用する人の大半が“モノを売る”ことから始めますが“売る”人がそのまま“買う”人にはなってくれません。中古品への「汚い」「臭い」「カッコ悪い」などの偏見があるからです。
ブームに乗っているお店は「ファーストユーザーへの利用促進」をうまく行なっています。古着の「ドンドンダウン」は「ドンマネー」というストアクレジットを発行。商品を売りに来たお客様が現金で買取額を受け取るか、「ドンマネー」なら、現金の倍額もらえるという仕組みです。店舗の金券ですので「ドンマネー」を貰ったお客様は商品を買います。“売り”に来たお客様が“買い”のお客様に変わるのです。ある総合リサイクル店では初めて売りに来てくれたお客様に「当日限り有効の300円券」を配布。“売り”お客様の大半が利用してくれ中古品の愛好家になっていきます。
古着は身につけるものなので中古品を利用したことのない人にとっては抵抗の強い商品です。ある古着店では初めて売りに来てくれた人に古着を1着無料プレゼント。プレゼントする商品は臭いや汚れのない商品を厳選しています。お客様に選んでもらうのですが、「着てみたら古着っていいじゃない」と古着の悪いイメージを払拭しています。食わず嫌いとよくいいますが、最近の古着は新品と遜色ないモノばかりです。一度使えば「イメージと違った!」⇒「新品とかわらないなら安い中古品でいい」と利用者が増えます。初めてのお客様に中古品を利用してもらう工夫が中古ファンを増やすことになるのです。 

デフレ化のリサイクル経営

新品の価格が安くなるデフレは中古品にとっては向かい風になります。デフレは新品と中古の価格差が縮まり中古のお得感がなくなるからです。また所得デフレ(10年間で20兆円もの所得が消えた!)といわれ、店頭ではヴィトンなどの高額品が動かず、買替需要の減退から高額品の買取も減っています。中古業界でも古着を中心に1点単価の減少が続き新品業界の下取セールなどでも商品が集めにくくなっています。リサイクルショップブームと騒がれていますが、決してラクな状況ではありません。ただ時流を追い風にするならば、新規のお客様を大事にし「接客やお店のクリンネス、親切、安心査定」など利用しやすいお店づくりが重要になります。また、新品価格をきちんと調査して「中古のお得感」の演出にも気を配ることです。


文・・・野田 芳成 (ノダ ヨシナリ)
【参考:リサイクル通信

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株式会社船井総合研究所 リサイクルビジネス支援チーム 野田 芳成(ノダ ヨシナリ) 【担当コンサルタント】
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野田 芳成(ノダ ヨシナリ)

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