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コラムニスト
菅原祥公のコラム/菅原 祥公
「P/L経営とB/S経営の融合」
2018.05.07

著者(発行責任者):菅原 祥公

先日、アパグループの代表かつ創業者である元谷外志雄氏にお話を聞く機会に恵まれました。

同グループは、売上1,105億円・営業利益372億円・営業利益率33.7%(2016年11月連結決算・同社ホームページより)の超高収益企業です。その思考の中核は、P/L戦略発想とB/S戦略発想を上手に組み合わせたビジネスモデルをつくることです。

創業当初の主事業は、建売住宅事業(P/Lで黒字)でした。そこに賃貸マンション事業(減価償却でP/L赤字、資産増)を立ち上げ、両者を組み合わせてキャッシュフロー(C/F)を拡大しています。その後、より規模の大きい分譲マンション事業に参入し(P/Lで黒字)、そこにホテル事業(減価償却でP/L赤字、資産増)を立ち上げ、両事業でバランスをとっています。

この節税観点で始めたホテル事業が、自社で物件を取得し、高稼働で運営すれば、超高収益でありながら資産とC/Fが増加するという両輪事業であることに気づいたそうです。そこからいかに高稼働を達成するかに徹底して、ホテル事業を研究されたようです。

通常のシティホテルは7日間のうち週末2日が高稼働、ビジネスホテルは7日間のうち平日5日間が高稼働です。これらを組み合わせて、ターゲットを出張族に絞り、超一等立地に展開、稼働率を100%に近づける「シティ型ビジネスホテル」という新コンセプトが完成しました。そして、そのモデルを急速展開し、今やアパホテルは、世界トップクラスの収益額を誇るグループとなりました。

急成長・高収益の秘密は「バランス」

通常、経営者はB/S発想かP/L発想のどちらかに偏りがちです。B/Sに偏る企業は売上規模が大きく成長スピードも速いのですが、収益がとれないと返済困難に陥りやすい体質になります。逆にP/Lに偏る企業は、収益性は高くても成長が遅いというジレンマに陥りがちです。

元谷氏は創業当初から上手にこの両輪を回すことを徹底してビジネスに取り込んできた結果、今の一大グループをつくりました。

このP/L経営とB/S経営をバランスよく融合させた経営が、急成長・高収益の秘密といえるでしょう。