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(グレートカンパニーレポート)

飲食

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有限会社 えん家 有限会社 えん家
所在地: 〒 963-0201 福島県郡山市大槻町字針生141
浜の水産: 〒 963-0201福島県郡山市大槻町字針生141
とりの蔵 朝日店: 〒 963-8024 福島県郡山市朝日3-3-12
     須賀川店: 〒 962-0013 福島県須賀川市岡東町195
業種: 焼鳥居酒屋、海鮮居酒屋
二杉 明宏
二杉 明宏
2012.05.23
■ この会社のスゴイところ

福島県郡山市を中心に、海鮮居酒屋と2店舗の焼鳥居酒屋を経営。

地域のファミリー客のファンを集め、メルマガ会員は1店舗1,500~2,000名にものぼる。

東日本大震災で被災し、一時は営業停止を余儀なくされたもののファンは衰えず、2012年2月期は過去最高売上、過去最高収益をたたき出した。
INTERVIEW
INTERVIEW
震災をものともせず、この1年で過去最高益をあげた飲食店(有限会社 えん家)
遠藤 浩輔 氏
有限会社 えん家 代表取締役社長
有限会社 えん家 代表取締役社長 遠藤 浩輔 様 INTERVIEW
■ 従業員の底力が支えた飲食店 
以前からの創作居酒屋業態に時流の翳(かげ)りを感じた遠藤社長は、お子様からお年寄りまで喜ばれる焼鳥専門店に業態転換する。「とりの蔵」の誕生である。しかし初年度は完全に業態シフトできず、創業以来初の赤字となってしまった。

味の研究を重ね、品質の追及と低価格の実現に取り組んだ。1,980円の宴会コースは前例がなく、大好評だった。従来からの平日の飲み客向けに焼酎のボトルキープを1,300円に設定したことも大きなインパクトとなり、少しずつ軌道に乗り始めた。

一方、以前よりファミリー向けに展開していた海鮮居酒屋「浜の水産」も徹底的に鮮度を高め、品質にこだわった。

相談していた船井総合研究所の二杉から出た、薄利でもあえて原価をかけるという提案には抵抗があったが、味に敏感なお客様の支持を得た。魚卸業者から売り込みがあるほど好調で、良質の海産物が安価で手に入るようになった。

「とりの蔵」が昨対130%をマーク、ビジネスモデルに確信を得た矢先、東日本大震災が起こる。店内の散乱や断水によって営業停止を余儀なくされた。

2日後の13日、とりの蔵須賀川店から、水道復旧のため営業再開すると社長に連絡が入る。ガソリンの枯渇のため調理長たちは余震の続く中、店に寝泊りして営業を支えたという。

「今自分たちに何ができる?」地域の食材不足に着目し、浜の水産では水の出る社員宅から水を運び、仕入れていた食材でお弁当やお惣菜を売り出した。大変喜ばれただけでなく、コミュニケーションによって互いに笑顔が戻った。

1週間後の18日、全店に水道が復旧する。手に入る食材による限定メニューで営業を再開した。テレビ報道の自粛ムードをよそに多くのお客様で賑わった。営業してくれてありがとうという声を、浴びるほどいただいた。閉塞感の中、おいしさはもちろん、思いをもって来店されたのだ。

従業員たちは地域に必要とされていることを強く感じた。社長は当時を振り返って語る。「これが飲食店の本質なんだと実感しました。食べてもらうだけでなく、生きていくうえで大切な欲求を満たす使命を感じました。」

念のための借入金も、銀行から電話一本で借りられた。今までの経営の成果だ。4月には予算達成、その後も伸び続け、2012年2月期決算では過去最高の増収増益をたたき出した。
有限会社 えん家 浜の水産 とりの蔵 
(左)「浜の水産」名物 鮮魚の品質に力を入れた自信の海鮮浜水船盛りは税込み1,575円
(右)「とりの蔵」名物 3日3回炙りとりかわ
■ 企業の力が地域の力になる 
震災を従業員一丸となって乗り越えたベースには社長自身の成長が大きいという。赤字に転落した年、経営者同士の勉強会で考え方や理念を学び、経営指針を考え直した。

今まであいまいだった「経営とはお客様に幸せを与えるもの、従業員に幸せになってもらうこと」との考え方を明確に全従業員に伝えることにした。社長と社員、アルバイトはみな対等に考えており、頑張った分だけ評価すると宣言し、初めて年2回の賞与支給を行った。

全従業員で読み合わせをし、共有している経営指針書は震災という危機に大きな支えとなった。繰り返し読み返すことで存在する意味を問うた。市内で営業できた飲食店は3割ほどという中、原点回帰によってお客様に支持され、軌道に乗ることができた。

浜の水産の店長酒井尚之さんは自らも被災したにもかかわらずこう語る。

「震災に捉われることなく、なぜかみんな前向きでした。僕たちならいけるはず、という自信がみんなの中にありました。それは、積み重ねられた基盤があったからだと思います。模索しながら創り上げてくれた自信が地域のお客様の支持につながり、僕たちの自信になっているのではないかと感じます。」
浜の水産臨時メニュー お客様の声
(左)3月18日に営業を再開した「浜の水産」のメニュー。仕入れられる食材だけで営業を再開した
(右)メールマガジンにもお礼の声が寄せられた。「大変だったね」など、交わす会話で閉塞感が解かれ、心のつながりができた
■ スタッフの声 
「うちはスピード感をとても大事にしているんです。震災の時は、こんなときこそ社長をサポートしないと! とみんなで団結し、できることをやろうととにかく動きました。いい会社ですよ、私が言うのもなんですけど。」(本部 古川 友子さん)
浜の水産 店舗 スタッフの皆さん
浜の水産の店舗外観(左)とスタッフの皆さん(右)
□■ コンサルタント二杉明宏の視点 ■□ 
えん家さんは焼鳥専門店、海鮮専門店といった専門居酒屋を3店舗経営する小さな会社ですが、現在いずれの店舗も地域一番店として繁盛しています。

そこに至る過程では様々な船井流マーケティングを提案させていただきましたが、遠藤社長をはじめ社員たちが素直に、素早く行動に移されたことが最大の成功要因だと思います。

また、収益性が高まった後は、キチンと社員にフィードバックすることで「この会社は結果を出せばキチンと評価される」というトップと社員の間に信頼関係が生まれました。

震災直後は皆が不安な心理状況に陥りましたが、それでも即座に自分たちにできることを行動に移し、周辺よりも短期間での営業再開にこぎつけられました。

結果、震災翌月の4月には単月黒字化に戻し、その後も社員一丸となって店舗運営に邁進されたことで、さらに強固な圧倒的地域一番店として成長されたことは大変素晴らしく感じています。
 
 
● 飲食店経営の為のビジネス情報サイト 「船井流 飲食店経営コンサルティング」 
● 二杉明宏が主宰する 「船井フードビジネス経営研究会」

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