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井手 聡
PROFILE 井手 聡(イデ サトシ)
チームリーダー、シニアコンサルタント。サービス・小売業を中心に、全国約50社の業績アップを行う。担当業種は住宅リフォーム会社、仏壇店、スポーツ施設など。著書に、『使えば儲かる!「売れるコトバ」と「買わせるセリフ」』『売れる販売ツールのつくり方・使い方』(同文舘)などがある。
INTERVIEW
宮西 ナオ子
聞き手:
2008.02.18
宮西ナオ子  職業 : 総合文化ライター
ライターを中心にエッセイスト・インタビュアー・生き方研究家・女性能楽研究家・博士(総合社会文化)として、様々な仕事に携わる。
宮西ナオ子さんの公式サイトはこちら

高額商品販売とっておきのテクニック
著書:井手 聡
価格:\1,470(税込み)
【宮西】
『高額商品販売とっておきのテクニック』を読ませていただきまして、大変勉強になりました。私も、時には高額商品を買うこともありますから、「本当にそうだ。こういう人からなら買いたい」とつくづく感じた記述が多くありました。

【井手】
実は私の専門分野は、仏壇とリフォームの業界です。現在、この2つの業界は共にマーケットが伸び悩んでいます。仏壇は典型的な衰退業種ですし、リフォームもこの2~3年で随分と落ち着いてきました。そんな中でも、クライアントの業績を上げなければいけません。しかし客数を増やすだけでは、もう追いつきません。そこで課題となったのが、「客単価を高くする」ということでした。

例えばリフォーム。今までは安いキッチンでも売れていましたが、これからは安いだけでなく、性能やデザイン性に優れたキッチンを売れるようにしなければなりません。仏壇も同様で、ご来店いただいたお客様に対して、本当に良い仏壇を買っていただくことが重要となりました。

そんなコンサルティング活動を毎日していると、ハイグレード商品を売るにはどうしたら良いかを必然的に考えざるを得なくなりまして、これが本書を書くことになったきっかけのひとつです。仏壇とリフォームの事例が少し多い気がしますが、自分の体験談なども織り交ぜ、2年越しで書き上げました。

【宮西】
高額商品を買うときは様々なことを考えますし、時間もかけて検討しますから、やはり販売員さんの態度が気になりますよね。

【井手】
「誰から買うか」は、重要です。いくらその商品が気に入っても目の前にいる販売員さんの笑顔がない、知識がないという状態では、購入を見合わせてしまいかねません。またその場の気持ちの盛り上がりがないと、買おうという決断ができないこともあります。日用品を買うときは、「買う決断」をすることに意識などしませんが、高額商品は、買おうか買うまいかと決断するステップが重要なのです。その気になっているお客様に最後の決断をさせること。決断するにふさわしい「場作り」が必要になってきます。

【宮西】
自分ではそれほど買う気がなかったのに、その場の雰囲気や販売員さんの接客態度で、思いがけず高いものを購入したりしますね。でも販売員さんに良い印象を持っている為、高額商品を購入しても「良かった。ありがとうございます」という気持ちになります。

【井手】
高額商品を売る場合、販売員の力量が試されます。時には商品が素晴らしく価値のあるもののようにショーケースに飾ったり、恭しく取り出したり、あるいは、商品の価値の伝え方を考えたり……、そんな繊細な演出で、商品が売れるか売れないかが決まります。

【宮西】
商品を熟知したプロの販売員さんがいるから、消費者もショッピングが楽しくなるわけですね。

【井手】
高額商品の販売は、大げさに言えば、お客様に対して買い物の楽しさを伝える一大プロジェクトです。モノ余りと言われる現代において、非常にタイムリーなテーマだと思います。

【宮西】
本書では、テレビやインターネットで見る「ショップチャンネル」のことが書かれてありますが、実は私も最近、ハマっているのですよ。

【井手】
あれは作り方が上手いですよね。番組の中では必ず、購入したお客様と電話で話をします。しかもお客様を「麻美子様」とか「薫様」と、様づけで呼んで親しみを出しています。あの番組では、売る人をキャストと呼んでいるのでが、その各キャストにファンが付く仕組みになっていて、実は私の家内もヘビーユーザーで、バンバン宅急便が届くのですが(笑)、彼女はお気に入りのキャストが担当しているものを特に買っているようですよ。

あの番組を一通り見ておりますと、高額商品販売に関するテクニックがいくつも盛り込まれていることに気が付きます。

【宮西】
キャストの話し方や仕草、指の動きなども気になります。私も自分の気に入っているキャストが勧めている時に商品を買いますよ。「Sold out」なんて表示が出ると、「うわあ、すぐに買わなくちゃ!」と気持ちが焦って、ついつい購入(笑)。

【井手】
そうまでして買った人は特にだと思うのですが、素敵な包装で商品を届けて欲しいとは思いませんか?本にも書きましたが、見積書をわざわざ桐の箱に入れてお客様に出すリフォーム会社があります。

一般的に見積書というものは、ただ紙に数字が書いてあるだけですが、そこにどのような「価値」を付け加えるかというとき、やはりひと味違った、お客様の気持ちをくすぐるような演出をすることが大切です。

高い買い物をするとき、お客様は清水の舞台から飛び降りるといったら大げさですが、それほどの気持ちでお金を出すわけです。ですから極端な話、言葉尻が汚い人から買いたくない、といった単純な世界でもあります。そんな微妙に揺れ動く気持ちを考えると、桐の箱に入った見積書は決して馬鹿にできない、効果的な演出ですよね。

【宮西】
宝石を買おうとしたら、店員さんが足を組んで喋っているのを見てしまい、買わずに帰ったことがあります。でもやはり欲しいので、翌日行ってみると、品の良い方がいらっしゃったので、購入に至りました(笑)。

【井手】
その気持ちはよくわかります。つまり、高額商品販売員は常に神経を巡らせ、自分を磨く必要があるということです。自分の知らないところでお客さんは見ているかも知れない。宝石などは特にそうですね。販売員がその商品を手に取るとき、いかにも価値があるように、丁寧に扱って見せることです。お客様は細かいところを見ています。一挙手一投足見られていることを忘れてはいけません。

話し方も同様です。お客様と仲良くなると、友だち言葉で話す販売員がいますが、これも良し悪しで、特に高額商品を販売するときはかなり注意しないと、ちょっとした気の緩みで購買のチャンスを逃すことがあります。一瞬のスキが命取りになる可能性がありますから、非常に怖いジャンルです。

逆に、何気なく言った言葉が、お客様のツボにはまって、思いがけず購入に結びつくと言うこともありますね。面白いことに、風邪薬も「風邪薬」とだけ書いてある薬は売れませんが、たとえ価格が20~30%高くても「喉の痛みに」などと症状がきちんと書かれてあるほうが売れます。

お勧め対象となるお客様の姿をズバリ伝えることで、多少高かろうが売れるのです。もはや価格そのものは関係ない。高額商品販売に必要なのは、リスクを負う、つまりお節介を焼くということです。

お節介というと、通常はありがた迷惑的なネガティブな表現ですが、ここでは、相手をとことん考えて自己主張するという意味です。自己主張にはリスクが伴います。リスクを負いながらも、「これがお勧めです。これになさってください」とお客様のことを本当に思ってお勧めすることです。本書では、「お勧め」に関して、かなりのページを割いていますよ。

【宮西】
ブティックなどで洋服を買うときにも、信頼のおける販売員さんに「これを買いなさい!」と言ってもらったほうが有難いですものね。

【井手】
何を着ても「お似合いですね」だと、お客様は踏み切れません。何が自分にぴったりなのかをアドバイスしてくれる人が必要なのです。販売員が接客につく意味はそこにあります。「お勧め」をするということは、高額商品販売の基本中の基本です。

しかし現実は、お客様から「お勧めは?」と聞かれる場合にすらハッキリと答えられない販売員が多いですね。「あなたがお勧めするから買ったのに、すごく評判が悪いわよ」とお客様に言われてしまうリスクがあるからでしょう。販売で最も楽なのは、無難なものや廉価な物を勧めることですからね。そうすればノーリスクですから。

【宮西】
商品や自分に自信がないと難しいですよね。

【井手】
この商品はどういう人にとって良いのか。どういう使用感があるのか、を常に研究していかねばなりません。その努力がダイレクトに評価されるのが高額商品販売です。シビアですが、やりがいはありますよ。

ところで、「有名人が使っているから」という理由で売れまくる商品があります。例えば浜崎あゆみがあるサングラスをしているとなると、街中の女の子が同じものを着けます。決して安いものでなくとも、憧れや夢で、同じような格好をしたがります。

そこにはデザインや機能だけで説明できない付加価値があるのですが、誰が売るか、どんな有名人がその商品を使っているか、そのような「超」付加価値があるかどうかも、高額商品販売をする上で見逃せないテーマですね。

どのようなストーリー性を作り上げるかも大切ですよ。

例えば、仏壇には鉄刀木(タガヤサン)という木で作られたものがあります。唐木の仏壇だと通常40万円くらいですが、鉄刀木の仏壇は、180万円もする高額商品です。しかし売れています。それは何故か。

「この木は昔から床柱などに使われてきました。すごく頑丈で、永遠につながるシンボルとして用いられています。ご家族のみなさんが永遠に繁栄する願いを込めて作った仏壇なので、ご先祖さんをお参りするには最適です」

このように、鉄刀木という木にストーリー付けをして説明しているからです。

鉄刀木という木は硬くて重いのですが、かといって「丈夫なので地震がきても大丈夫ですよ」というような説明はしません。単に「長持ちする」だけでは180万円も支払いませんが、「ご先祖様と一緒に子孫の代まで長く繁栄する」という思いを込めれば、180万円でも買いたくなるのです。

例えば、銀婚式に妻にワインをプレゼントして一緒に飲みたいというお客様がいたとしましょう。そのとき販売員は、「奥様がお好きな映画はありますか?」と聞くのです。そして「ではその映画に出てくるこのシャンパンで一緒にお祝いされたらいかがですか?」と言ってお勧めする。するとどうでしょう。2万円とか3万円のシャンパンでも売れてしまうのです。

【宮西】
うーん。買いますね……。

【井手】
通常でしたらシャンパンにしろワインにしろ、味や産地、びんのデザインに価値を見出しますが、「最愛の妻が好きな映画に出てくるシャンパン」という絶妙なストーリー性をもたらすと、全く異なる価値が出来上がります。

【宮西】
そんなシャンパンやワインを買ってくれたら惚れ直してしまいますよ。

【井手】
このとき男性は、なぜそのシャンパンを買ったのかを話して喜ぶ妻、というシーンに対して2万円を支払うのです。味は二の次です。価格は価値に付随するものですが、どこに価格分の価値を認めるか。その多様性を考えることが高額商品販売の面白味でもあります。

【宮西】
そのようなことを学べるのが本書なのですね。

【井手】
本書では高額商品販売に関するポイントを73項目にわたって書かせていただきました。もしこれらを全部実行すれば、「そりゃあ売れるだろう」という感じです(笑)。斬新なことはそれほど書かれてないかも知れません。「発見」というよりむしろ、大切なことを思い出して、それをやってみようという感覚で読んでいただけると有難いですね。

業種や会社の事情によって、出来ること出来ないこと、あるいはやるべきこと、そうではないことがあると思いますが、73項目の中から、何かしら参考にしていただけるものがあるのではないかと思います。

【宮西】
販売員にこういう人が増えてくれれば、日本全体のレベルも上がるのではないでしょうか?本日は素晴らしいお話をありがとうございました。 

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