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コンサルティング成功事例
採用売り手市場の中、初の新卒採用で内定者11名獲得!800社の中から選ばれるための採用活動とは?(篠崎運送倉庫)
株式会社 篠崎運送倉庫
PROFILE 株式会社 篠崎運送倉庫
昭和44年創業。社員6名・トラック7台でスタート。平成14年に2代目社長に交代し、現在は倉庫を中心とした(※)アセット型3PL(サードパーティーロジスティクス)企業として発展を続けている。
 
(※)アセット型3PLとは自社の持つトラックや倉庫といった資産(アセット)を使い、他企業の物流をアウトソーシング先として請け負う(サードパーティロジスティクス)企業を指す。
 
代表者 : 代表取締役 篠崎 晃市
設立 : 1969年(昭和44年)1月13日
資本金 : 9,500万円
事業目的 : 一般区域貨物自動車運送事業、倉庫業及び荷役梱包等の付帯事業、自動車運送取扱事業、不動産の売買、仲介、賃貸及び管理業務 
売上高 : 16億5,400万円(2007年6月期)
社員数 : 96名(うち役員8名、社員62名、パート・アルバイト26名)
車両台数 : 16台(うち大型4台、中型12台)
INTERVIEW
橋本 直行
無料コンテンツ
橋本 直行
2008.02.07
サクセスサマリー
 
全くはじめての高卒採用に取り組むため、かねてからコンサルティングを受けていた船井総研に相談。大卒や中途採用とは異なり、職安を通さなければならない、訪問時期が決まっている等の規制の多い高卒採用に必要な活動を洗い出し、徹底的に作戦を練る。

東北地方にターゲットを絞り、他の企業と大きく差をつける様々な活動を展開。できれば地元に子供を置いておきたい保護者をも味方につけ、目標10名に対し11名の内定者確保に成功。新卒採用に合わせて、人事システムや賃金制度も改定し、公平感のあるしくみに見直すなど、マネジメントにも力を入れた。

社員も採用や受け入れに積極的に協力する意識を高め、組織全体の活性化にも成功している。
■ 船井総合研究所との関わり
 
【ビフォア】
事業拡大を目指す中、創業時から勤務していた社員が次々と定年を迎えるようになり、人材の確保が課題となっていた。中途の求人を出しても若年層が集まらないため、高卒の新卒採用を検討。働き口が不足しているといわれる東北地方を中心に採用活動をすることを考えていた。
 
【アクション】
コンサルティングを受けていた船井総研の橋本に依頼し、東北の中でも求人倍率の低い青森をメインターゲットに決定。地元埼玉と青森の高校生に絞った採用活動を始める。新卒高校生の採用には規制が多く、実績のない会社が採用を行うのは難しいため、小冊子やDVD、ファックス・ニュースレター等のツールを駆使したインパクトの大きな活動を展開。はじめてのチャレンジに予想のつかないことが多かったが、確かな手ごたえを実感。
 
【アフター】
採用人数10名の目標に対し、11名の内定を獲得。今期の実績を元に、2009年度採用にも力を入れる方針である。また、新卒採用に合わせて、人事システムや賃金制度も改定し、マネジメントにも力を入れることで、組織全体が若返った。人材採用のノウハウを確立した今、会社は次なるステージへ向かっている。
社員を育てる責任、社員の人生に対する責任をこれまで以上に強く感じました。 
篠崎 晃市 様
株式会社篠崎運送倉庫 代表取締役 篠崎 晃市 氏
■ 「東北に仕事がないなら、うちで採用しよう!」(篠崎社長) 
業務の拡大を目指す中、創業時からうちの会社を支えてくれたベテラン社員達が定年を迎えるようになり、「高卒採用」を真剣に考えるようになりました。なぜ「高卒」なのかと言うと、この業界はとにかく「現場主義」ですから、スタートが早いほうが良いからです。うちの役職者も、みな倉庫や配送の現場からのたたき上げです。

中途の募集もしているのですが、なかなか若い人が集まらない。せっかくならば、自分が引退した後も会社で働いていてくれる若い人に夢を託したい、それならやはり高卒、と思ったのです。はじめからターゲットは「東北」と考えていました。幹部5名のうち2名が東北出身で、粘り強い頑張り屋が多いという良いイメージがあったことが理由のひとつです。

でも、直接のきっかけは、NHKの『ワーキングプア』という特集番組を見たことです。ワーキングプアとは、働いているのに生活保護水準以下の暮らししかできない人のことを指します。3世代5家族で合計年収が300万などというケースを見て、「なんでそんなに仕事がないの?」「関東は人が足りないのに!」とショックを受けました。

そして、「こういう東北の人たちを何とか助けてあげることはできないのか?そうだ!うちで採用させてもらおう!」と思い立ったのです。そこで、橋本さんに採用のコンサルティングをお願いしました。私は元々橋本ファンです。橋本さんはとにかく“熱い”ですし、ものの考え方が多面的で的確です。苦楽を共にしてくれ、何かにぶつかった時も適切なアドバイスをしてくださいます。

東北と言っても広いですから、どこを攻めるのが良いかとご相談したところ、「調べてみます!」と即答。すぐに「東北で一番、就職率が低く、困っているのが青森です。」というお答えをいただきました。そこで、迷うことなく青森をメインターゲットに決めました。

採用の考え方から社内体制、渉外、面接、教育に至るまでの60ページに及ぶマニュアルを作っていただき、その内容に沿ってプロジェクトを進めていきました。「会社をアピールするのは、通常の営業でも学校訪問でも同じですよ」というアドバイスに「確かにそうだな」と納得し、営業担当の柳原が適任だと思い、東北での採用に取り組んでもらうことにしました。
新卒の採用を担当した 柳原公也 氏
管理本部 営業部 ロジスティクス・コーディネーター
青森の高校に対する採用を主に担当した 柳原公也 氏
■ 1校に対して800社以上もアプローチに来ているとは想定外でした(柳原氏) 
偏差値が高すぎず低すぎず、就職と進学が半々くらいのところを中心に約70校をピックアップしていただき、車で青森に出向いてほぼすべてを実際に回りました。はじめての取り組みなので、何事も新鮮で「苦労した」という感覚はありません。むしろ、新たなチャレンジにワクワクしていました。学校は事前に電話をすればアポが取れる確率が高いので、普段の営業よりむしろ楽しいと思ったくらいです。

進学校に行った時は「何しに来たんですか?」的な応対をされてしまったりしたこともありましたが、それも「経験」と前向きに捉えることができました。しかし、1校に対して県外企業から800社以上もの求人が来ているという事実は想定外でした。しかも、1校にプレゼンできる時間は5〜10分くらいに限られています。事前にプレゼンのトレーニングを行い、いかに先生を味方につけるかということに工夫をこらしました。

まず、初回訪問の際、現地の風土や就職難という実態を肌で感じ取ってきた私、何とか東北の子供達に夢を持たせたいと考えている篠崎社長、そんな熱い想いに共感してくださっている橋本さんと協議を重ねました。結果、会社よりも「物流業」という一般になじみのない業界を知っていただき、興味を持っていただく、ということに注力したのです。

ただ話をするだけではなく、採用用の会社案内や小冊子、DVDといったツールを用意し渡すようにしました。他社が持ってくるのは営業用の会社案内なので、こうしたツールだけでも差別化になりました。さらに、会社案内のポスターも用意して、ダメもとで進路掲示板に貼らせてもらう交渉をすると「そんなこと言う会社は、はじめてですよ」とビックリされたりもしました。

また、訪問の際は、「他社さんはどんな感じですか?」とズバリ聞いてみることにしていました。すると、他社は「即戦力」を求めているところがほとんどであることがわかるのです。つまり「作業マン」を求めているところが多いのです。そこでうちは即戦力を求めずに、現場から丁寧に育てていくこと、生徒さんの将来をしっかり考えていることをアピールしました。

「みんなで分かち合う経営」が弊社の理念なのですが、社員と苦楽を共にするというこの発想が、先生や親御さんに共鳴していただけたように思います。単に進学率とか、大企業への就職云々ということではなく、真剣に生徒さんの将来を考えていらっしゃる先生は、経営理念にとても共感して頂き、熱心に聞いてくださいます。

興味を持ってくださった方には、社長がいかに熱い男かということをアピールしました。2回目の訪問の際は社長も一緒に学校周りをしたのですが、「え?社長が直々に?」と、先生にはそれだけでもインパクトが大きかったようです。

こうした活動が功を奏して、埼玉もあわせると13名の応募があり、保護者の方と一緒に職場見学会に来ていただくことができました。
採用用会社案内
ただ話をするだけではなく、会社の魅力や姿勢を伝える採用用の会社案内や小冊子、DVDといったツールを用意
■ 保護者の心を掴んだ「職場見学会」での社員の応対(篠崎社長) 
職場見学会では、実際の現場をそれぞれの実務担当者から案内してもらいました。8月、記録的な猛暑の中での見学会で、倉庫は40度を越えていたのですが、各部署の部長や主任が、暑さを感じさせず、誇りと自信を持って熱心に説明してくれたことが参加者に好感を持たれたようです。

仕事中にも関わらず、今何をやっているのか、どういう意味があるのかを、わかりやすく教えていました。保護者の方からも、社員の対応が良かったと褒められました。

新卒を採用するにあたって、人事システムや賃金制度をより公平感のあるものに見直しを図り、それに伴って給与の低かった人が底上げされたのですが、それによって社員が新卒採用にプラスイメージを持てたことも成功要因のひとつかもしれません。

こちらから説明するだけでなく、生徒のほうからいろいろと質問してもらう時間も設けました。とはいっても、自分からはなかなか質問ができないでしょうから、こちらから「給料はいくら位か気にならない?」とか「寮ってどんなところか知りたくない?」と話しを促してあげて、それに応えるような形式にしました。

特に保護者の方が気になさるのは「衣・食・住」ですよね。本音では、子供を遠くに行かせたくない思いがあるでしょうから、寮やコンビニなどの周囲の環境も含めて、安心していただける情報をなるべく事前に提供しました。中には「もっと都会かと思ったら意外と青森と変わらないですね」というご意見もありました(笑)。

この見学会で「みんなで分かち合う経営」が実感できたというお声もいただき、結果、11名の内定が決まりました。
職場見学会
8月、猛暑の中での見学会。各担当者が熱心に、そして親切に接したことで見学者の心を掴んだ
■ 社員が定年を迎えた時に、後悔しない会社を作りたい(篠崎社長) 
11月、12月に青森と埼玉でそれぞれ内定式を行ったのですが、18歳はもっと大人なのかなと思っていたのですが、話してみると意外に子供です。育てる責任、彼らの人生に対する責任をこれまで以上に強く感じました。

先代の社長もよく言っていたのですが、人生において、会社に来ている時間が一番長いものです。その時間を充実させてあげなければならない。つまらないところに一生勤めるなんてあまりにも可哀想です。新卒で、若くて、他の会社を知らないなら尚更です。定年を迎えた時に後悔しない会社を作っていきたいと、これまで以上に強く思いました。

彼らが入社したら、まず幹部社員による10日間の研修プログラムを受けてもらった上で、1週間ごとにすべての現場・倉庫を回ってもらいます。20歳になるまではトラックには乗せません。そして5月から配属し、7月に最後の仕上げとして私と一緒に全員で富士山に登ろうと思っています。連帯感・達成感が味わえて、一生の思い出になりますよね。今から楽しみにしています。

これをきっかけに、中途社員にも研修をしていきたいと考えています。実務ではなく、会長から直接「みんなで分かち合う経営」という理念について語ってもらおうと思っています。企業の不祥事が続く中、創業者が直接会社の歴史を語ることは非常に重要だと思っています。

これまでは人員に余裕がなく、まとまった人数での研修を実施することは難しかったのですが、11名が入社すれば、なんとか現場からも人が出せますので、是非実施したいと思います。

また、今回新卒採用をするにあたり、人事システムを見直しました。今までは中途採用メインであった為、場当たり的な対応が多くバラつきがありましたが、給与テーブルを透明化し、全従業員の見直しをした結果、給与の上がった従業員もおり、公平感のある仕組みができたと考えております。

新卒採用を通じて、社内の意識や、仕組みが変わり、さらに会社全体が活性化しつつあるように思います。今後も定年者が毎年出ますので、今年の実績を活かしながら、採用に力を入れていきたいと思います。

インタビュー:2007年12月
株式会社篠崎運送倉庫 内定式
平成20年度内定式の様子。地元埼玉と青森にて、内定者の家族も招待して行った。
 
 
 
 
 
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