コンサルタント&経営者コラム

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コラムニスト
田邊鉄憲のコラム/田邊 鉄憲
「M&Aの具体的な進め方」
2018.03.06

著者(発行責任者):田邊 鉄憲

日本における中小企業のM&Aはますます活発化していく傾向ですが、その進め方がわからないという質問を多く受けます。まずは、業種・業界のM&Aに詳しい専門家に相談することが望ましいでしょう。やはり、買う、もしくは売る意思のある会社の情報を持っている点と、市場価格を知っているからです。

検討メンバーは幹部に限定

そして、検討メンバーを限定する必要もあります。社内のメンバーによる情報漏洩が原因で、交渉が決裂してしまう可能性があるためです。また、資金調達が気になり金融機関に相談するケースもありますが、正直、信用できない場合もあります。

まずは、検討メンバーを数名の経営幹部に限定し、業種・業界に詳しい専門家による検討・交渉を依頼することが最適です。

取引行為と組織再編行為

また、実際のM&Aスキームとはどのようなものなのか、という質問も多くいただきます。M&Aの実施スキームは、大きく2つの行為に分かれます。
(1)取引行為(株式譲渡・事業譲渡など)
(2)組織再編行為(合併・会社分割・株式交換・株式移転)

取引行為における事業譲渡の場合は、消費税や不動産取得税および登録免許税を認識する必要があります。

事業譲渡のメリットとして、簿外債務引き継ぎのリスク回避を挙げることができます。デメリットは、移転手続きの煩雑さと許認可引き継ぎ不可である点です。すなわち、事業譲渡は許認可が必要な業種には不向きなスキームといえます。

組織再編行為では、許認可が絡むケースで会社分割を活用したM&Aが多く採用されます。事業譲渡同様に金銭の支払が一般的ですが、不動産の承継次第で分割スキームを検討する必要があります。

不動産取得税で考えた場合のスキームは吸収分割ではなく、定められた要件を満たすことで非課税となる新設分割が適しています(※)。

例えば当社では、「業種に強いM&Aアドバイザー会社」の強みとして、恣意性が高い事業価値の算定にも客観的な判断を加えています。

※会社分割には「吸収分割」と「新設分割」があり、事業に関する権利義務を、既存の会社に承継する場合を「吸収分割」、新たに設立する新会社に承継する場合を「新設分割」といいます。