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コラムニスト
竹内実門のコラム/竹内 実門
「金融行政の大きな時流の変化」
2018.06.04

著者(発行責任者):竹内 実門

金融庁長官に森信親氏が就任して約3年が経過しました。これは異例ともいえる長さといわれています。また、森長官が就任してから金融行政は大きな改革を実行しているというのが、金融機関(銀行、信用金庫・信用組合、証券会社、保険会社等)に携わる多くの人々の見方です。

「金融検査マニュアル」が廃止

金融庁は、昨年12月に「金融機関に対する検査・監督の新たな基本方針」を発表し、20年続いた「金融検査マニュアル」が、平成30年度終了後を目途に廃止になることが決まりました。

「金融検査マニュアル」とは、金融機関の経営の健全性を確保するために、金融庁(当時は金融監督庁)が、金融機関の資産や業務体制をチェックするための指針として、平成11年に作られたものです。各金融機関はその指針に従って経営を健全に行うための努力を続けてきました。銀行等では、融資の際に「金融検査マニュアル」の指針に基づいて、金融機関自体のリスクヘッジを重視するようになりました。

また、企業への融資においては、スコアリングに基づいた融資が主流となり、事業や経営者の評価に基づく融資活動が縮小しました。それにより、本来の金融機関の役割ともいえる、地域の企業を育て、永続させる金融サポートを行うための、事業評価を行う機能・能力が落ちてきたことが、新たな問題となってきたのです。


事業の未来を見直す機会

時代が変わり、森長官というリーダーの出現も重なって、「新たな金融機関経営」が求められ、「金融検査マニュアル」の廃止が決まりました。これにより、金融機関は自社の目利き力や融資のルールを新たに作り、運用していくことが求められています。融資を受ける企業側としては今後、自社の経営内容(特に財務内容)の正しい開示と、将来のビジョンや具体的な事業の計画を、明確にしていくことが求められるようになります。

永続的な経営を行うためには、適正な資金調達は必要不可欠であり、金融機関ともよいパートナーシップを創り上げていくことが必要です。この機会にご自身の事業の未来を、あらためて見直してみてはいかがでしょうか?