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コラムニスト
中野靖識のコラム/中野 靖識
「データと事例で先を読む(3)IT活用は正しい現状認識から」
2018.06.07

著者(発行責任者):中野 靖識

人手不足が深刻化する中、業務の効率化、生産性向上のため、ITの導入を検討されている方も多いと思います。導入をスムーズに進め、しっかりと効果を上げるために、経営者の方に知っていただきたいことがあります。

IT、ICT導入を考える時に検討したいステップ


IT(情報技術)、ICT(モノがインターネット通信を通じて繋がることを意味する)の導入を考えるときには、「導入前構想」を整理することが必要になります。

生産性向上を実現するためにはまず、「業務の標準化」を実現しなければなりません。そのために必要なステップは以下に示す5つです。

(1)可視化:現在の業務プロセスはどのようなもので、どこに問題が潜んでいるかを把握する
(2)置換構想:ITで何をどのように置換すると、誰にどのようなメリットをもたらすことができるかを整理する
(3)試行:無理せず、できることからトライアル実施を試み、効果を検証して賛同者を増やす
(4)運用評価:トライアル運用規模を拡大させ、原則、全社全員が関与・推進し、評価する
(5)標準化:進めてきた取り組みを全社の基本業務としてマニュアル化し、誰もが対応できるようにする

成功のポイントは「導入前構想」です。現在の業務プロセスを可視化し、ITに置き換えるものを構想としてまとめることです。(1)(2)のステップをいいかげんにしたまま進めてしまうと、走り始めてからの障害が大きくなり、生産性が上がらないだけではなく、コストが増加することになりかねません。

生産性向上をめざすのであれば、何より現在の事実を正しく認識し、解消すべき問題が何かを明らかにしましょう。

最後に、生産性向上を検討する際は、自分の業界だけの常識にとらわれることなく、異業種の事例も確認しましょう。その中で、貴社に取り入れることができるものを考えつつ、現状の問題発見から手を付けるという発想を大切にしてください。