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「中国の飲食店事情」 フード上海グループ グループマネージャー 石橋 恒夫
2018.07.12

著者(発行責任者):



数多くの中国飲食企業とお付き合いをする中で、現状課題となっていることのひとつに、人件費の高騰があります。日本と同様に、少子高齢化による働き手不足と、最低賃金の上昇による人件費の高騰が、中国飲食業界においても顕著に表れてきています。

その背景から近年、中国飲食業界では、日本と同様に省人化オペレーションへの変革が進み、飲食経営者は「小規模省人化モデル」の店舗開発に積極的です。

小規模省人化モデルへの挑戦

先日、中国杭州にあるサービススタッフがゼロの無人レストランに訪問してきました(無人といっても、厨房スタッフは数名います)。

店内に入るとスタッフの影はなく、そのまま席に座り、スマートフォンからメニューを選び注文をします。その場で決済(モバイル決済)が終了し、注文商品が出来上がればスマートフォンに連絡が入り、商品提供BOXに自ら取りに行きます。食事が終われば、自身で食器返却を行い、そのまま退店します。

入店から退店まで、店舗スタッフと会話することも顔を合わせることもなく一連の流れが終了します。当然、調理するスタッフは数名いますが、セルフサービス+電子決済により、サービススタッフが完全にゼロという店舗です。

集客減はなく、むしろ伸びる売上

こちらの店舗の運営人員は当初13名でしたが、この省人化モデルに業態変更したところ6名で営業が可能になったそうです。「サービススタッフがいなくても、果たして売上は維持できるのか」という疑問が出てくるかもしれませんが、実際にこの店舗では、このモデルチェンジによる集客減はなく、むしろ売上が伸びています。

電子決済の普及が進む中国ならではの部分もありますが、このような思い切った省人化オペレーションへのモデルチェンジと、収益構造の変革は、人材不足に悩む日本においても学ぶべき視点がたくさんあります。今後も、中国飲食業界の省人化モデルへの移行に注目していきたいと思います。