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対談集

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タクシー


中央タクシー株式会社 代表取締役会長 宇都宮恒久氏・中央タクシー株式会社 代表取締役社長 宇都宮 司氏

対談者:船井総合研究所 広報チーム

【無料公開】

創業の想いは「社員が生きていく会社を創る」

広報:会長に、一番最初の創業の時の思いについて教えていただけますか。

宇都宮会長:創業が1975年の7月22日、この7月で満35年になります。当時私が28歳の時でした。創業の時には「反面教師」という教材がありました。
父親の経営するタクシー会社に、ある別のタクシー会社の買収を依頼され、父はそのことに了解をしました。


そのタクシー会社に父親と一緒に行くと、秩序は乱れ、朝の挨拶といえば、おはようございますではなく「ばかやろう」という怒号から始まるような会社でした。非常に長期にわたっている労働争議が、人々の気持ちを疲弊させていって、人の本来の姿ではないような姿にどんどん変わってしまっているように見えました。

例えばこういうことがありました。ある時会社に出勤をしたら、洗車場で5~6人の乗務員さんが一人の中年の男性を囲んでいました。無賃乗車があったようです。まもなく乗務員たちは、水圧を上げたポンプをバーっと男性に向けて噴射しているのです。そして男性がすべって転んだところを今度はひきずりまわしているといったありさまです。

無賃乗車といえどもそんなことまで…!男性を事務所にお連れし、事情を聴くと、朝、6時ぐらいまでお酒を飲んでいてタクシーで帰宅しようとしたら、お金がなかったそうです。男性はタクシーの乗務員に「今はお金を持ってないけれども、家についたら払う」と伝えたそうです。乗務員は、今お金を持っていなければ無賃乗車だという捻じ曲げた解釈で、男性を拉致して会社へひっぱりこみ、待機していた数人の乗務員とともに乱暴狼藉に及んだというわけです。

とんでもない話ですから、とにかく平身低頭でお詫びをしましたが、「すぐに帰してくれ。」とおっしゃいます。「わかりました。すぐ車の手配をします」と申し上げると「ふざけるな!こんなタクシーに乗れるか」と。そして奥様が迎えにきた車の助手席に乗り、ドアが閉まった瞬間に目の当たりにしたのが、その男性の男泣きでした。屈辱感からの解放というものが嗚咽にかわったわけです。そしてすっと車が去っていきました。もちろん後で社長とお詫びに行きました。

圧倒的多くの方は、生涯を通じてそのような屈辱を味わうことはないはずです。たまたまそのタクシーに乗ったがゆえに、こうした屈辱を味わわなければならなかった。タクシー会社としてはこれほど罪なことはないわけですね。

こういったことが毎日のように起きていました。私は父親に言いました。「こんな会社はつぶしたほうが世の中のためじゃないか。みんな人間がダメになっていってしまう」と。


すると父親はその時に、いみじくも静かに言いました。「10年待たなきゃ、だめだな」と。そして3億の累積赤字はちょうど10年目に消えたのです。まさに10年再建にかかったわけですね。その1年後に父親は亡くなりました。命を削って再建したのです。私はその3年後に、新しい会社「中央タクシー」を作り、自立したわけですが、「社員が生きてく会社だ、絶対に逆の会社をつくる」という強い決意でした。

MKタクシー オーナーとの出会い

広報:当時でいうと、今お話いただいたようなタクシー会社さんは稀だとはいえ、たしかに乗務員と会社の労働問題は業界の常識だった中で、真逆の会社を作ろうというときにモデルとなった企業があったそうですね。


  代表取締役会長 宇都宮 恒久氏

宇都宮会長:創業してまもなく、週刊誌に載っていた京都のMKタクシーの記事を友人が見せてくれました。素晴らしいサービスでお客様から絶大な支持を得ている記事が書かれていました。私は信じませんでした。あの時代のタクシー業界のレベルで、こんなことができる会社は絶対ない、これは誇張だと。

しかしそれから1週間もたたないうちに夜行列車に飛び乗り、京都に向かいました。アポイントもとらず突然MKタクシーに行ったため、オーナーにお会いすることはできませんでした。明日なら会えるということでしたのでその日は失礼をして、MKタクシーを実際に乗ってみることにしました。6回ほど、目的を言わずに、乗っては降りて、降りてはまた乗り。それは大変なカルチャーショックでした。誇張だと思っていたことが現実だったわけです。

例えば、目の前の安全枕が切り抜かれており、合成樹脂がはめ込んであるのです。そこには「お客様へのお願い。MKタクシー4つの言葉を、挨拶を言わなかったときは、運賃を払わないでください」と書いてあるのです。ドアサービスをやったか。ご乗車ありがとうございますと言ったか。自己紹介をしたか。最後にお忘れものはございませんかと…。しかも、単に置いてあるだけでなく、夜でも見えるように電球をいれているのです。

これには驚き、思わず乗務員さんに聞きました。「トラブルにならないんですか?」いいがかりをつけてくるのはみな同業者だといいます。確かに挨拶しているのですが、それでも「挨拶を言わなかったよな」と言って料金を払わずにいってしまう、そういういやがらせは山のようにありますが、京都の市民の方は理解してもらって、逆に応援してもらってますと。これは、実行しようと思いました。

翌日オーナーにお会いしました。タクシー会社を始めた境遇が似ていたことから大変に気に入っていただき、3~40分の予定が、4~5時間もお話いただけたのを覚えています。
その日から「頑張れ!頑張れ!やればできる、君は長野のMKになれ!」と励まされ続け、約30年間、今でも毎月通ってます。



事業継承

広報:私が中央タクシーさんとお会いしたのは、ちょうど社長交代するという頃でしたね。社長に、引き継がれた時の気持ちを教えていただけますか。



代表取締役社長
宇都宮 司氏

宇都宮社長:社員の方は本当に誇りを持っていてくださって、中央タクシーを好きでいてくれるん ですね。私よりも好きだな、という方がたくさんいらっしゃいます。そのことを一番大事にしたいと同時に、誰よりもまず自分が好きになりたいという風に感じ ました。そして、私と会長は別の人間ですから、次代にあわせて少しずつ勝手に変わってしまいます。意識しなくても、創業の想いや会長が大事にしてきた気持 ちは守りながら、という気持ちでおりました。

広報:中央タクシーさんは事業承継が非常にスムーズにいった会社ではないかと思っています。会長はどのように継いでいかれたのですか。

宇都宮会長:まず、どのタイミングで継承するかということに気を遣いました。最も良い、過去最高の業績のときに継がせたいと決めていました。決意して3年目でした。もう一つは、社内の環境を整えました。創業以来のまさに同士であった取締役営業部長を呼んで、「社長を変える。次期の社長はあんたがいるとやりにくいから、一緒に作ってきた会社をもっと伸ばしていくためにも部長は現場に出てくれ。ただし、部長という立場と賃金はもちろん保証する。」といいました。部長は理解してくれて、今では現場の親分です。そこまで言える仲間たちだったということですね。

後編はこちら


(渡邉幸義氏(わたなべゆきよし)アイエスエフネットグループ 渡邉幸義氏 PROFILE
宇都宮 司(ウツノミヤ・ツカサ)氏    代表取締役社長
宇都宮 恒久(ウツノミヤ・ツネヒサ)氏 代表取締役会長
設立:1975年
資本金:6,000万円
本社所在地:長野県長野市若穂 保科265
事業内容:空港送迎・代行タクシー・介護タクシー・禁煙タクシー
企業HP:http://chuotaxi.co.jp/                                

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