明日のグレートカンパニーを創る 株式会社 船井総合研究所

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対談集

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部品加工業



日本トップの成長率(※) MonotaROの挑戦!
※日経ビジネス2016年1月11日号「成長率ランキング100」

聞き手:FUNAIメンバーズ事務局 編集部
ファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会 機械工具商社経営部会
主宰 片山 和也

片山:今、日本には会社が約400万社あると言われていて、製造業がそのうちの1割で約40万社です。経済産業省が工業統計を出していますが、実は従業員4名以上のところしか出ていません。4名以上の工場で20万~22万社あると言われていますから、残りの半分はデータが出ていないわけです。
対して、機械工具商社、販売店、問屋が約1万社あります。その販売店や問屋の営業マンが全国津々浦々の製造業に訪問していますが、彼らは従業員が数名のところには行きません。なぜなら売上の元が取れないから。だから大手企業で1,000名とか、中小企業で300名というところに一生懸命行くわけです。ではどうやって間接副資材を調達していたかというと、個々に工具屋まで買いに行っていたんです。とはいえ工具屋はルートセールスが主業態ですから、こうやって買いに来る現金客が迷惑でもあった。

鈴木社長:そうですね。

片山:日本の製造業は、従業員3名4名というようなガレージ企業のようなところが支えていて、そして彼らはすごく困っていました。例えばベアリングを1個買いたいと言っても工具屋は来てくれないし、買いに行ったら高かったり、3日とか待たされたり。そんな中でモノタロウが現れて、「えっ、こんなに安いの?!」「スグ届くの?!」と。夢のような話ですよ。でもそれは既存の勢力、業界の問屋やメーカーからすれば、「おいおいカンベンしてくれよ」と。今まで値段を伏せていたのに、そんなにオープンにして、どえらい迷惑だということで、圧力をいろいろかけた時期があるんです。あれはいつ頃でした?

鈴木社長: 2001年、2002年くらいですね。
その、ベアリングを1個くださいと現金を持って来るというお話ですが、実は取引のためにかかるコスト、トランザクションですが、人件費という面においては1個でも100個でもあまり変わらないんですよね。けれどもBtoBでセールスマンを通して販売する以上は、顧客によってその価格が違う、商品が違う、量が違うのはあたりまえなんです。取引に対してのコストと考えれば、当然といえば当然なんですよね。そこで我々は、アウトバウンドでお客様のところにルートセールスに行かなくても、カタログやチラシ、FAXを通してお客様を獲得してきました。
今はネット上でいかにお客様に見つけてもらえるかに注力することで、毎月4万近いアカウントを獲得できています。世の中のネットワークもどんどん変わっていく中で、自分たちが人とは違うお客様へのアプローチ手段を見出すことで、通常のセールス形態ではアクセスできないようなお客様に対して、コストを安く到達できるようになったというのが一番の大きな理由だと思います。

片山:モノタロウは、社名を住商グレンジャーからモノタロウに変更されましたよね?

鈴木社長: 2006年の上場前に変えました。

片山:モノタロウにされた理由は、MROの頭文字で?

鈴木社長:もともとは「モノタロウ.com」というサイトで、モノタロウというドメインは当初からあったんです。会社として一番大事なことは何かといえば、お客様がその会社のことをどれだけ信じられるかということなんですね。先ほど片山さんがおっしゃったような、フェイストゥフェイスでない販売チャネルが抱える問題は、その会社のことがよくわからないという理由が結構多いと思うんです。それもあって事業の立ち上げ時には住友商事と、今の親会社でもあるグレンジャーの名前を使いました。だんだん規模も大きくなっていたところで、やっぱりモノタロウという名前をより理解してもらうために変えました。

片山:そうでしたか。


メインとなる物流センター

営業ゼロ、紙媒体を重視するこだわり

編集部:では次に、先ほどインターネットのサイトやカタログで、今も試行錯誤されているとお話しくださいました。工夫されているのはどういった点でしょうか?

鈴木社長:お客様にとって適切な商品を表示して提供するということは、どの媒体においてもかなり努力が必要です。インターネットやダイレクトマーケティングにおいては、通常のセールスルートでたどり着かないお客様のところに到達できるという利点もありますが、やはり弱点もあります。例えば、商品に対するお客様の理解が浅いですとか。ネット上では購買を促すようなプッシュする行動はできませんし、提案営業は、やはり人が強い。そういう面では、これまでお客様が購入されてきた商品や、お客様の事業など、数々のデータを分析・解析することで、まだまだこれから発展の可能性がありますし、やるべきことだと思いますね。

編集部:インターネット上において、人によるセールスに近いところまでサービスの精度を高めていきたいと。

鈴木社長:例えば実際に人が動かなくても、今ならスマホがあればスカイプだとかフェイスタイムが使えますよね。それを乗り越えるテクノロジーがすでに世の中にあるわけです。一番非効率なのは、人件費がだんだん上がっていって、さらに人が移動するというコストですよね。だから訪問することに時間やコストをかけられなくなってくる。人が移動しなくても、すでに深いコミュニケーションをはかる手段があるんですから、それらをもっと活用すべきではないかなと思います。

片山:BtoB通販は、通販といいながら、実は結構な営業人員を抱えている場合があります。例えば業務用食材を扱う企業などです。とくに食材は口に入るものですから、人が行って補う必要が出てくる。やはりBtoB通販でも営業が不可欠かと思われる一方、モノタロウでは営業活動が一切ありませんね。

鈴木社長:当社のサービスをプレゼンテーションする担当者はいますが、いわゆるルートセールスは一切ないです。もともとの事業が、インターネットを活用してEコマースしますというところからのスタートでしたので、セールスマンありきの通販スタートでなかったことは、むしろラッキーだったかなと思います。
当社がセールスをするならば、セールスっていう機能は何ですか?というところからもう一度、分解しなければいけないと思います。なぜ行くのか?どういう信頼なり役割をお客様に提供できるのか?どのようなコミュニケーションが必要なのか?必要があるとすれば、今度は移動時間がかかってくる。それをどのようにして削減できるか、乗り越えられるか、他と違うチャネルを提供できるのかを検討しなければいけないと思います。

片山:なるほど。ありがとうございます。

鈴木社長:ここ数年は新たな領域として、大手の企業向けに商品を提供しています。その中でプレゼンに行くことはあります。これは大手の企業内の購買システムにモノタロウの商品データベースをリンクしてもらうというやり方で、社員の方は社内承認等のワークフローを活用して当社に発注していただくと。すると請求や決済が一本化されて、各事業所の担当の業務量も大きく削減できるという試みです。


オフィス風景

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鈴木雅哉氏 鈴木雅哉(すずき・まさや)氏
株式会社MonotaRO 代表執行役社長

本社所在地:兵庫県尼崎市竹谷町2-183 リベル3F
設立:2000年10月
資本金:19億745万円(2015年12月31日現在)
従業員数:240名
事業内容:事業者向け工場用間接資材の販売
http://www.monotaro.com/

片山和也 片山和也(かたやま・かずや)
株式会社船井総合研究所

船井総研入社後は一貫して生産財分野のコンサルティングに従事、成果を出し続ける。通算20年 以上にわたり機械業界に携わっており、技術とマーケティングの両面を理解する超エキスパートとして、同分野では船井総研の第一人者である。「中小企業は国内で勝ち残れ!」をポリシーとして、国内製造業の空洞化に歯止めをかけるコンサルティングを展開している。機械工具商社経営研究会・部品加工業経営研究会を主催。主な著書に『技術のある会社がなぜか儲からない本当の理由』(中経出版)他 経済産業省登録 中小企業診断士。「ファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会」「ファクトリービジネス研究会 機械工具商社経営部会」を主宰。