明日のグレートカンパニーを創る 株式会社 船井総合研究所

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対談集

設備工事

お客様に選ばれる理由

加藤: 船井財団が主催する「グレートカンパニーアワード」において、『働く社員が誇りを感じる会社賞』を2014年に受賞された、新日本ビルサービス株式会社の関根一成社長にお話を伺います。ビルメンテナンス業の現在の景気はいかがですか?

関根社長:正直、僕は景気が良いとか悪いからとか、そういうことを今まで感じてきたことはあまりないんです。我々のような中小企業の場合、世の中の大きな景気の流れはあるでしょうけども、実際はそれ以外の部分で決まるんじゃないかと思いますし。少なくとも私たちにとっては本筋ではないというふうに思います。

加藤:なるほど。「それ以外の部分」というのは?

関根社長:清掃や設備の管理というビルのメンテナンスは、どんなお客様にとっても必要な仕事です。ホテルでも病院でも、行き届いた清掃やメンテナンスがなければ絶対に成り立ちません。ですからそれは景気の良し悪しに関係なく、本筋の仕事をしっかりやっていくということですね。

加藤:今後、清掃やビルメンテナンスの仕事がなくなることはないと思いますが、競合がある中で、新日本ビルサービスが選ばれるのは何故でしょうか。

関根社長:創業した当時は、他の清掃メンテナンス会社と大して差はなかったです。見積りの仕方もわからなかったくらいで。先輩に教わった平米単価を参考にしながら見積りを出しても、もっと安い会社があれば簡単に負けちゃうんです。この業界も平米単価があり、例えば定期清掃を入れて150円ですとか。清掃のメンテナンスの原価はほとんど人件費です。私たちが違ったのは、時間単価や資材費など、原価をわかりやすく、全部ガラス張りにして出したのです。そして会社の利益は業務管理費という形で提示しました。 するとそれがお客様から「とてもわかりやすいね。ここの清掃単価ってこうなっているんだな」と理解いただいて。そうして少しずつ差別化ができてきましたね。

加藤:この業界に足を踏み入れたのは、いつごろですか?

関根社長:35歳です。それまでは、今と関連性がある仕事になりますが、ダストコントロールというマットやモップのレンタル会社の専務をしていました。父が創業社長で私が専務。私なりに一生懸命やりましたけど、生意気なことばかり言っていましたから、しょっちゅうぶつかりました。ある日、呼ばれて「お前はビルメンテナンスの会社やるつもりないか」と。迷うことなく「やります」って言いましたね。ド素人4人で平成5年の5月にスタートしました。でも悲壮感はなかったです。

加藤:前向きな感じでいらしたと。

関根社長:根拠もないのに、できると思っていましたね(笑)

価格のわかりやすさが顧客の心をつかむ

加藤:創業当初とは違う、新しい見積りで勝負していったというところで、価格ではなく、お客様が納得する出し方とか見え方、説明ができたというところが勝ちになったんですね。

関根社長:ひとつはそうだと思います。自分が見積りを見てわからないのだから、お客様はもっとわからないだろうと。空調オーバーホールというのは、昔は一台5万円くらいしたんです。「なんで5万円もするの?」と疑問に思って。それなら自分がわかるように、お客様にも提示した方が良いんじゃないかと。

加藤:ガラス張りの単位に変えていったときに、価格競争にはなりませんでしたか?

関根社長:こんなケースがあります。川口市にあるホテルでのことです。ホテルにとっては客室が一番大事ですよね。我々の経験からいうと、清掃は20分はかかります、と。そこで原価を計算して、業務管理費20%いただけますか?と見積りを出していった。すると向こうも経営者ですから、じっと見て「そうだよな、このくらいかかるよな」と。

当時、そのホテルには埼玉県で1番大きい会社と2番目に大きい会社が営業に来ていました。後から聞いたら、うちの方が高かったそうです。それでも決めてくれました。そういう例がいっぱいあります。お客様に納得していただくことで、ほかより高くても決まることは多いですね。

増収増益を続けているコツ

加藤:お付き合い先も長いところが多くいらっしゃいますね。

関根社長:ホテルでいうと最初のホテルニュー埼玉さんは20年以上、お付き合いをいただいています。

加藤:現在、5期、安定して増収増益を続けられていらっしゃいますが、それを継続できる経営のコツやポイントは?

関根社長:ひとついえるのは、4年ほど前から全ての数字を社内に公開したというのがあります。これは過去どうだったかをしっかり分析して、5年先の目標を決めて作っていきます。損益だけでなく貸借対照表まで全部です。すると社員の給与も「この目標を達成することによって、5年後は年収がこれくらい増えるよ」と見えてきました。

加藤:普通は大体3ヵ年くらいでみていくのを、あえて5ヵ年みる理由はなんでしょうか?

関根社長:良い点を伸ばして悪い点を改善する、そう会社を変える意味では3年だとちょっと短い。5年スパンだと見えてくるっていいますか。私の性格上、最初は目標設定が高かったんです。だから達成しないことが多かった(笑)。すると途中からみんな無理だと思っちゃうわけ。 でもしっかりした5ヵ年計画をだしてから、頑張ればギリギリで届く、いい目標設定ができました。だから達成感ありますよ。

加藤:良いモチベーションですね。傾向として、パワーがある経営者さんは高い目標を掲げることが多いですね。昔はそのパターンだったのを変えた、と。

関根社長:ええ。部門ごとに出していますから、達成していない部門は肩身が狭い。でもそれは意図的にやっていると。

加藤:決算も振り返るというお話がありましたが、どの辺を見ますか? 売上、粗利、経常利益……。

関根社長:貸借対照表ですね。バランスシートをよく見ます。自己資本率であったり。

加藤:どうしてそこを見るようになったのですか?

関根社長:これはスター精密株式会社の佐藤社長の合宿で徹底して教わったことなんです。損益計算書は単年度だけど、貸借対照表はこれまでの積み重ねじゃないですか。これはもう動かしようがないんですよね。この辺のことを見るのが経営のポイントだと、少しずつ実感としてわかってきました。それをもう4回作りましたから、ようやく自分たちのものになってきたといいますか。

加藤:5ヵ年計画が当たり前になっているということですね。

関根社長:しかも精度が高まってきた感じがします。あとこれは嬉しいことなんですけど、誤差がだんだんなくなってきましたね。とても見やすいです。

加藤:しっかり計画して着地させるという細かいところがきっちりできている。数字が読めるということは、安心感のある経営ができているということですね。



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関根 一成氏 関根 一成(せきね・かずなり)氏
新日本ビルサービス株式会社 代表取締役社長

創業 : 1993年
本社所在地 : 埼玉県さいたま市見沼区東大宮4-12-7
業務内容 : マネジメントサービス、プロパティマネジメント、ホテルサービス、リテールサービス、技術開発、修繕・リニューアル、日常清掃トレーニング・資材販売
新日本ビルサービスのオフィシャルサイトはこちらから

※ 企業プロフィールは、受賞当時(2014年8月)のものです。
加藤 振一良 加藤 振一良(かとう・しんいちろう)
株式会社船井総合研究所

異業種に負けないパチンコ企業の収益性(ローコスト経営)の追求と組織作りのコンサルティングを実施している。パチンコ業界以外で通用する企業作りには新卒採用が必須と考え、船井流採用コンサルティングで優秀な人材獲得や受入体制構築の実績多数。


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