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対談集

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服飾雑貨


アミング流教育 従業員一人の「心」から日本が変わると信じて【前編】<無料公開>

株式会社アミング 専務取締役 西江 あきよ氏

対談者:船井総合研究所 岡 聡

岡:金沢で小さな雑貨店からスタートされたアミングさんは、日本最大級、約250坪の店舗を標 準フォーマットとして、北陸を中心に現在21店舗まで拡大されています。従来の雑貨店に多いファンシー商品や贈答用品ではなく、バイヤーがセレクトした高 感度な商品を扱っていらっしゃいます。


素敵な外観の高尾店


通常、このような高感度な専門店は商圏人口が大きな都市部にありますが、郊外にありながら他府県からわざわざアミングさんに買い物に来るというファン客、リピーター客が多いお店です。
今日も駅からタクシーでこちらに来たのですが、アミングさんに来られる方をたくさん乗せたことがあると、タクシー運転手の方にお聞きしたのが印象的でした。


西江専務:アミングは今年29年目ですが、お客様のニーズも多様化し、細分化しています。私た ちのお客様は、その地域に密着したリピーターですから、ニーズに合ったWantsを見つけていくのはなかなか大変なことで、私たちが勉強して進化しないこ とには、お客様についていけないレベルになってきています。

お店を始めた頃は、私たちが素人だったばっかりに、お客様に教えていただくことも多く、本当に育てていただきました。
先日もお客様からメールがありました。関東に引っ越したお客様が、少し遠いけれど隣県にアミングを見つけて行ってくださったと。でもそのお店はアミングではなかったと。全体のレベルや雰囲気が、まだまだアミングになっていなかった。アミングしっかりしてよ、という内容でした。

涙が出るくらい嬉しかったですし、ありがたかったです。
ですから私たちはいつも「お客様にファンになって欲しいと思うより前に、私たちからお客様のファンになろう」という気持ちで接しています。

岡:アミングさんのお客様の期待値はそうとう高いですからね。
そういった店作りは、創業オーナーは続けることはできても、社員が増えてくると各店長やスタッフに伝えていくのはなかなか難しいですよね。これは他の業界に関しても悩みの種だと思いますが、そのようにお客様をファン化させる、自分たちがお客様のファンになろうということを、どのようにスタッフに伝えていらっしゃいますか?


お客様のことを知ろう、ファンになろうが約束



西江専務:毎日、一人でもいいので、自分から話しかけて、お客様のことを知ろう、ファンになろうという約束をしています。お客様をキャッチしてコミュニケーションを取り、そのご要望を知る。やはりお客様一人ひとりを大切にする心が大切ですね。

たとえば、こちらのお客様を立てればあちらのお客様が立たずというような場面で、自分はどういう配慮ができるのか、ですとか。そういったことを現場や先輩から学んでいると思います。

心に残る接客というのは、黙っていて心に残るわけがないと私は思います。私が以前、一年ぶりに子供の発表会の洋服を買いに子供服のお店に行った時、「こんにちは、西江さん」と声をかけていただいたことがありました。

岡:名前をですか!すばらしいですね。

西江専務:ええ。それはオーナーではなく、若い女性スタッフでした。一年ぶりですよ?そのことがあって、私はそのお店の一生のファンになりました。そういう思いをアミングのお客様にも味わっていただきたいです。お客様を覚えて、次にこられたときは名前で呼べるような接客をしてほしいということを、社員、パート・アルバイトに関わらず、スタッフ全員に伝えています。


日本を幸せな国にするために


シーンで売ることを心がけている


西江専務:どんなに素敵な店作り、売り場作りをしても、今は物が売れない時代ですから、シーンで売るということが、とても大切になってきていますね。
私たちのような雑貨は「100円ショップで十分だわ」と言われればそれまでです。ただ商品を並べ、ポップを書いても、お客様はピンとこないですから、やはりピン!とくるところまで持っていかないと。私たちの商品に付加価値をつけるには、やはり人の手が大切です。人の感性やセンスを加えて、魅力ある商品にしていきます。ですから単品で売っているのではなく、コトにして売るようにしています。

岡:モノで売るのではなくコトで。そこからさらに進んで「こころ」という部分は、なかなか難しいですね。いわゆるセンスであるとか感性である心の部分は、人間、多種多様ですから、その中で専務はどのようなかたちで、センスや心を磨くように指導やアドバイスをされていますか?



西江専務:私は今の日本で、家庭でも企業でも、そこが一番大事ではないかなと思います。日本はこれだけ経済発展して豊かな国になったといわれながら、幸せな国とはいわれませんよね。

日本のどこがハッピーじゃないのかな?と考えると、心ではないかと思います。お金がたくさんあるから幸せになるかといったら、違いますよね。この心ということに対して、もう少し目を向けた企業や学校、家庭が増えてくることによって、私は日本がもっと良くなるのではないかな、と思っています。ですからうちでは、あえてスタッフは女性ばかりを集めているんですよ。やっぱり子供を産んで育てるのは女性ですから。

岡:これはアミングさん独特の発想だと思うのですが、アミングさんは雑貨店の事業をしているというふうに考えていらっしゃらないですよね。豊かな心を持つ女性を増やすために、日本中に店を作りたいと。アミングが考える理想の母親像、女性スタッフが増えていくことで、日本はもっと良くなるのではないかと。このような思いで積極的に事業展開をされているわけです。
これは専務自身がもともと保母さんをされていたご経験があることとも通じるもの、原点があるのでしょうか。

西江専務:そ うですね。人の心の教育や生き方を教えてくれるところが、日本は本当に少ないと思います。では実際に学校で教えられるかといったら、机上の空論でしかない ですよね。やはり一人で社会に出て、実践で身につけていくのが一番ではないかと思います。本当に人間形成をするために、私は会社を作っているんですよ。

岡:働くことを通じて、心だとか自分自身を磨くという発想ですね。

西江専務:働くことでしか自分は磨かれないと思います。ですから働くということを、どう働くか、ですね。

社内勉強会の風景

  社内勉強会の風景

ユニークな会社説明会

岡:日本中から入社の希望者がいらっしゃるアミングさんですが、ユニークな会社説明会で有名ですよね。


西江専務の話はとても心に響きます。



西江専務:会社説明会では、採用前の学生さんが聞いて涙することもあります。
あなたた ちは何のために生きているの?どこに向かって生きるの?ここまでは両親に育てられたけど、ここからは自分で決めなきゃいけない。いま港に来ています。どの 船に乗りますか?ということを学生さんに問います。そしてアミングはどこへ向かって行く船なのかを説明します。それに共感できて、目的地が一緒だよ、とい う人だけエントリーしてもらいます。

岡:なるほど。かなり厳選して採用されていますよね。それはやはり、面接でも感じるかたを採用しているということでしょうか。
一店舗あたり店長以下20名ぐらいのスタッフで運営されていますし、現実的には、ある程度のスタッフ数を確保しないと運営できませんよね。大型店を次々と出店されていますから、かなりのスタッフ数が必要になると思うのですが。

西江専務:
そうですね。人が足りていないというのが今の課題です。売上の良くない店は、やはりそこが満たされていない気がします。新店を出店するときの悩みは、私たちの場合は事業資金ではなく、そこですね。レベルが低いお店というのは、人が足りていないということが言えると思います。

岡:誰でもスタッフとして仲間として迎え入れるわけにはいかないと。そのことが信念としてあるわけですね。出店とスタッフの採用育成のバランスとってくのが非常に難しいと。それだけ厳選しているからこそ各店舗の売上が、専門店の平均的な数字よりもはるかに上のレベルにあるということに表れているのでしょうね。

西江専務:店長以上のレベルの店はできないと思っています。ですから店長のレベルが低いと、売り上げも同じようになっていきますよね。店長勉強会をずっと行っているのはそのためです。
私だけのパワーで勉強ができるかといったら、それは難しいです。ですから私と岡さんと社長と、それぞれの掛け算によって、アミングはよりレベルが高い教育ができると思っています。

“アミング流教育”従業員一人の「心」から日本が変わると信じて(後編)」へつづく

FUNAI メンバーズ Plus とは?

(西江あきよ(ニシエアキヨ)株式会社アミング 専務取締役
PROFILE
西江あきよ(ニシエアキヨ)氏
株式会社アミング 専務取締役
創業 :1982年(扇商事株式会社)
代表:西江 整
資本金:1,000万円
従業員数:430名 (うち正社員 130名
本社所在地:金沢市元町2丁目9番25号
販売商品:文具・キッチン雑貨・化粧品・ベビー服・インテリア雑貨・
洋服・バッグ・財布・腕時計・ハウスウェア・アクセサリー・
リラクゼーション・ラッピングetc.
店舗:石川、富山、福井、新潟、長野、栃木、群馬に21店舗(2013年1月現在)

岡 聡(オカサトシ) 船井総合研究所 上席コンサルタント 岡 聡(オカ サトシ)
船井総合研究所 上席コンサルタント


兵庫県神戸市出身。一部上場アパレル企業を経て、株式会社船井総合研究所現会長小山政彦の著書「マーケティングの真髄」、数理マーケティングに感激して転職を決意し入社。大好きな流通業を中心にコンサルティングを展開している。入社後はドラッグストア・ホームセンターなどの住関連のコンサルティングチームに所属後、食品スーパー、食品企業、雑貨企業のコンサルティングを展開。社内では数少ない流通業トータルの衣・食・住総合の知識を持つ。

■ コンサルタントコラム「岡 聡の視点」
■ 岡 聡の著書「人を活かし会社を伸ばす100のキーワード」
      
  


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