明日のグレートカンパニーを創る Funai Soken

成功事例

~株式会社ことぶき精肉店~卸の強みを活かした飲食参入 社員とともに5年で7店舗展開へ
2015.05.25

 

 

二杉明宏


二杉明宏

2015.5.22

サクセスサマリー

4年で「焼肉店、焼鳥店、とんかつ店」計5店舗の開発に成功。グループ全体の年商は15億円に。今春には新店出店を控える


■ 船井総合研究所との関わり

【ビフォア】

愛媛県で、精肉の小売・卸売業を展開

【アクション】

外食市場への参入、飲食の原理原則にのっとった店舗展開を繰り広げる

【アフター】

4年で「焼肉店、焼鳥店、とんかつ店」計5店舗の開発に成功。グループ全体の年商は15億円に。今春には新店出店を控える

マルズ・ジョイフード

株式会社ことぶき精肉店
代表取締役 伊藤 忠昭氏


愛媛県で精肉卸・小売業を展開、2代目となる伊藤社長が考えたのは、卸先である飲食店へのコンサルティング。やがて自ら直営の飲食店を次々に立ち上げ、繁盛店となっている。同社の成功は、商品力はもちろん伊藤社長の「人」への思いにもありそうだ。

3年間のサラリーマン経験を経て家業に入った私は、人との交流が好きなことを活かし、レストランや焼肉店など飲食店への卸を積極的に行いました。県内に思うような商品がないとわかれば東京に出向き、全国から集まる良い肉を仕入れていました。さらには焼肉店の販売促進やメニューなどを勉強し、付加価値型店舗のコンサルティングを行いました。焼肉店にとってなくてはならない存在となるべく、持ち前の機動力で飛び回る日々でした。

ある日、船井総研東京本社におじゃました際、二杉さんの主宰する「焼肉店経営研究会」を知りました。参加してみると、意識の高い経営者が全国から集まっていることに驚き、時流や最先端の事例などあふれるほどの刺激を受けました。



(写真)ことぶき精肉店直営の飲食店 店舗の概観  左からやきにくの蔵、カツ丼かつ福、炭火焼鳥とりっこ


意識のターニングポイントから外食参入へ

しかしある時、ターニングポイントといえる時期を迎えます。売上は上々、利益も出ているのに、なぜか現金が手元にありません。キャッシュアウトしていたのです。また社員がどんどん辞めていき、10人雇えば10人辞めるというありさまでした。立ち止まって考えてみると、自分ばかりが猛進し、周囲をただ巻き込んでしまっていたのです。自分だけでなく社員も、さらにはその家族にも満足してもらわなければと気づき、会社の価値を上げ、伝えていくことに取り組みました。キャッシュフローの観点もあり、やがて自分でも焼肉店を経営してみたくなりました。研究会や全国の繁盛店視察で得たノウハウに加え、人とのコミュニケーションによって「お客様をとことん喜ばせる店にしたい」という理念で立ち上げました。

卸の実績から借り入れはとてもスムーズでした。大切なことは、卸や小売と飲食店では、経営体質がまったく異なるということです。問屋の感覚のまま飲食店を行う店は失敗しています。どんなお客様にどんな商品をどのように提供するのか、しっかりしたマーケティングを行い、飲食店の原理原則を大事にしました。問屋直営の強みを活かし、家族で食べたいおいしいお肉を安価で仕入れることができます。日常的に来てもらえるよう客単価を2,500~2,600円に抑える価格設定が実現しました。そして、徹底的にこだわっているのがお客様との距離です。楽しさ、非日常を味わってもらうために、職人の手元が見えるオープンキッチンを採用しています。安心感はもちろん、プロによるステージさながらの手さばきは、子どもも大人もワクワクします。職人にとっても仕事のやりがいにつながります。好評をいただき、初年度年商1.3億円、営業利益2,400万円という高収益でのスタートが切れました。



(写真)すべての席から職人の動きが見えるオープンキッチン


飲食店は人の集団、良い同士をつくること焼肉店にはじまり、焼き鳥、カツ丼・とんかつ店と、4年間で5店舗を立ち上げました。どのお店も感動、かっこよさ、ライブ感を感じてもらえるよう、新しいコンセプトを吹き込みますから、どのお店も印象が異なります。ただし共通していえることは、良いお店は一日では作れないという意識です。

良いお店を作るのは社員はじめパート・アルバイトの方たちです。彼らとの距離も大事にし、とにかくお店を好きになってもらうように心がけています。マニュアルや接客の型は、その土台あって初めて生きるのです。おかげで、パートさんが休みの日に店を訪れてくれるようになりました。何かを行うときには、社員に思いを伝え、理解と賛同を得てから進めます。試算表や計数の勉強会も行うことで、みんなで経営しているという実感があります。

私たちの店を選んでくれた地域の幸せに貢献し、社員とその家族の幸せ、やがては国の幸せに貢献するような、夢は現在も進行形です。春には愛媛県最大規模の焼肉店、夏にはとんかつ店の新店オープンが待ち受けています。会社としての営業利益率10%を目指し、お客様のワクワクする笑顔を楽しみに、今後も展開を続けていきます。



(写真)つねにお客様に喜んでもらえるように良いお店つくりに取り組んでいる従業員の皆さん



(写真)社員研修、表彰制度を通じた社員との関係を重視している。社長の想い、経営方針を伝える。


直営外食部門 マネージャー 尾上 祐介さん


安価かつ商品レベルの高さがわが社の売りです。時流に合わせながら常に飽きさせない店作りを自ら実践できます。できたことは評価され、人の育つ環境を感じ ます。家族団らんに携われる嬉しさは大きいですね。ある時、小さなお子さんが作業中の私の手を握ってきました。自分の席に私を連れていき、「おにいちゃ ん、ここに座って一緒に食べようよ」と言ってくれたのです。嬉しかったですね。うちは厨房とフロアの垣根もありません。調理していたスタッフが接客しにき てくれます。お客様も商品も肌で知り尽くしているからこその自信と説得力は、当社の価値だと思います。


二杉明宏の視点


伊藤社長との出会いから、かれこれ7年になります。食肉卸の全国通販から始まって、直営飲食事業の新規立ち上げ、その後の店舗展開、人材採用など、B2C 通販サイト立ち上げ、海外視察など私たちとのお付き合いは多岐にわたっております。ことぶき精肉店の長所は「行動スピードの早さ」です。これからも伊藤社 長持ち前の明るさをベースに着実な成長を実現し続けられるよう、サポートしていきたいと思います。


【プロフィール】
飲食 業専門コンサルタント。船井総研におけるフードビジネスグループ責任者。年間約250日の業績アップ支援活動に従事し、北は北海道から南は九州まで各地を 飛び回る。さらに中国企業にもコンサルティングを行い、その活動は国境を越えている。支援先企業の規模は地方の中小企業から全国チェーンまで幅広い。コン サルティングのモットーは、「業績アップを通じてその会社に関わる人がワクワク・楽しく・幸せになる」を実現すること。

飲食店の経営者の皆様、現場で働く従業員様向け勉強会 フードビジネス経営研究会

株式会社ことぶき精肉店

株式会社ことぶき精肉店
愛媛県西条市朔日市851-4
【創業】1967年
【事業内容】食肉卸、食肉小売、飲食業
【従業員数】154人
【店舗】やきにくの蔵、炭火焼鳥とりっこ、かつ丼かつ福