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写真館

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井口 章

2012.08.20

サクセスサマリー

祖父の代から続くDPE(写真の現像や焼付け、引き伸ばし)をメインとした写真店であったが、祖父と父親が相次いで他界し、20代後半にして後を引き継ぐことになった稲次氏。

全国チェーンのDPE店にシェアを奪われ、また市場自体も縮小していくなか、同社はフォトスタジオ中心の写真店へと大きく舵をきる。若い母親の感性に訴える新しいタイプのフォトスタジオが共感を集め、スタジオ関連の売上は約10年で10倍まで成長し、業績も倍以上に成長する。

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■ 船井総合研究所との関わり

【ビフォア】

祖父の代からのDPEを主体とした写真店だが、全国チェーンのDPE店にシェアを奪われ苦戦していた。

【アクション】

フォトスタジオ事業を柱にすべく、小さなお子さんを持つ若い主婦の感性に訴える明るくおしゃれな新しいタイプのフォトスタジオへと生まれ変わる。イベントや顧客管理など様々の施策を取り組む。

【アフター】

結果、DPE業務が激減するも、フォトスタジオ事業は約10年で10倍、トータルの売上も2倍以上に伸ばすことに成功する。

妻の背中を押してくれたことが大きかったと思います

有限会社 イナツグフォトスタジオ 代表取締役  稲次 寛 氏 有限会社 イナツグフォトスタジオ 代表取締役
稲次 寛 氏

1回きりの付き合いから一生の付き合いへ

祖父と父が相次いで他界し、私が実家のDPEを中心として展開していた写真店を継ぐことになりました。当時は全国チェーンのDPEが地元の川崎にも多数出店してきていた時期であり、私もミニラボを導入するなどして対抗策も講じてきたのですが、シェアを奪われ業績が落ちていきました。

写真の現像、いわゆるDPE事業は90年代をピークに下がり続け、デジタルカメラの台頭もあり、現在では3分の1の2000億円程度にまで減少していると言われています。

このままでは先が見えない状況だったところに、船井総合研究所の井口さんと知り合いました。井口さんが当時提案していたone to one マーケティングの話を聞き、これだと思いました。

一度きり、一回限りの付き合いから、生涯のイベントごとに何度も来てもらえるお付き合いをするフォトスタジオに変わるという提案でした。写真館は七五三の時の売上が大きな売上につながります。

お客様には1回きりの付き合いではなく、お宮参りから三歳、五歳、七歳、さらには入園、卒園、入学など、節目、節目でスタジオに来てもらえれば、売上は上がりますし、安定します。

成人式まで含め一生の付き合い、家族ぐるみでの付き合いができればお客様からのリピート注文で業績を伸ばせるのです。また井口さんは当初から、これからは女性の視点でお店を運営することが大切だからと、私の妻が全面に立ち、お客様を惹きつける役割を担うようにアドバイスしてくれました。

そしてターゲットである小さなお子様を持つ主婦の感性に訴えるサービスをどんどん実施するように背中を押してくれたのです。

これが現在の当社のスタイルに至った理由としては大きかったと思います。スタジオのコンセプトとしては、国籍は不明のカントリー風のスタジオで、絵本の中に入り込んだような雰囲気で撮影していくことをイメージしています。

体に良いものとか健康的なもの、ぬくもりを感じられるようなもの、心の栄養となるものを子供には与えたいと常々、考えているのですが、そうした私達夫婦が良いと思うもので、スタジオの雰囲気を作り上げています。

自然な表情の子どもの写真

絵本の中で写真を撮るがコンセプト。子どもの自然な表情を大切にしている

子どもへの対応から業績向上のヒントを得た

業績が上向いたきっかけは、ある日、写真がどうしても取れない子どもさんにどうやったら撮れるのかを考え、外で撮ることをお客様に提案したことです。すると外では撮影することができ、しかも自然体のよい表情の写真が撮れるなど思わぬ効果がありました。

その後、DMに 「アウトドア派、スタジオ派?あなたはどっち派?」というような打ち出しを行いました。このDMの反響が非常に大きかったのです。

もともとベビーキッズキャンペーンとして、商業施設を借りて子供の写真展のイベントを3日間ほど毎年行っていました。その写真展への展示を前提に、低料金で写真を撮影するというものです。このイベントへの集客の反響が、それまで40組くらいだったものが、100組近くに一気に増え、最終的には500組まで集めるイベントに成長しました。

現在はおかげ様で、キャンペーン以外のお客様の予約が増えたため、撮影する時間がとれなくなるほどになり、500組よりは減りましたが、依然人気のイベントです。料金については、通常1万5000円位かかるメニューを基本料金は3000円、あとアルバムを買われる方が多いので、基本料金プラスアルバム代という価格で行っています。

このイベントは、もともとは赤ちゃんを撮るベビーキャンペーンというフィルムメーカーが奨励していたイベントが原型です。私達はそれを子供にまで広げ、ベビーキッズキャンペーンとして、また外でのロケ撮影も行っています。

いまでは全国の写真店で同様のイベントを開催していますが、当時はベビーだけでなくキッズも撮影したり、外でのロケを行ったりするケースは全国でも珍しく、当社が先駆けだったと思います。

同社のツール。親子のためのフォトスタジオであることがうかがえる

雑誌の写真のような一枚を心かげている

顧客情報の蓄積が強みに

店舗のコンセプトも含め、こうした他の写真店ではあまり見かけないような取組みも、井口さんに提案すれば自由にやらせてくれますし、より上手くいくためのアドバイスをもらえます。ただ、あまりに前例のない時などは、反対されることもあります。現在の場所に移転するときも一回は反対されました。

1階か2階で営業するのが常識の写真店が、マンションの10階で営業するというのは確かに前例のないことだと思います。しかしこの物件は、他にテナントのいないマンションの一番上の階ですので、1階に案内を出させてもらえていますし、エレベーターなので移動も苦にはならないなどマイナス部分はある程度カバーはできました。

駐車場が台も確保でき、建物の雰囲気も良く、撮影に必要な自然光もたくさん入り、天井が高く開放的であるなどプラスの要素がたくさんありました。家賃も安く入れたために、移転を決めたのですが、結果としては成功でした。

もう一つ、業績があがった理由に、井口さんとの当初からの取り組みでもあった顧客管理の徹底があります。パソコンとデータベースソフトを購入し、のお客様も含めて生年月日を必ず聞くようにしていました。この際、なるべく家族全員の生年月日を集めるように指示があり、最初は慣れなくて大変でしたが、地道に収集していきました。

年々、情報が蓄積され、数年経つと業者のリストよりも数も多く、質も高いリストが手に入るようになりました。結果として、これが業績向上に大きく成果をあげるようになっていきました。

特に、ベビーキッズキャンペーンでの反響が良くなり、会員が爆発的に増えると、リストも同時に増えますので効果も倍増しました。今では、季節毎にそのお客様に合わせたを自社の顧客リストから効率的に送ることができています。


ショッピングセンターなどを借りて開催するキッズイベントの様子

商業施設で開催するキッズイベントの様子

フォトスタジオ事業は10倍、業績も2倍に

現在では、移転を機にDPEの業務からは完全に撤退し、フォトスタジオのみで売上を構成するようになりました。井口さんに来てもらった当時と比べれば、業績は倍以上に伸び、フォトスタジオの売上だけでみれば10倍になりました。

今後も、写真をただ撮るためのフォトスタジオではなく、もっとお子様にとって楽しい時間を作り、楽しいシーンを撮ることができるようなフォトスタジオを目指していきたいと思っています。

夏のイベントの様子。撮影は抜きで顧客とのコミュニケーションの場となっている

夏のイベントの様子


  • イナツグフォトスタジオ

    有限会社 イナツグフォトスタジオ

    設立 : 1953年
    事業内容 : 写真スタジオ
    売上高 : 6,000万円(2011年度予定)
    社員数 : 3名 
    売上高 : 16億5,400万円(2007年6月期)
    住所 : 神奈川県川崎市川崎区境町11-21 パワーハウスBS10階

  • インタビュー:2012年6月


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